学生コンペ

第1回アーカイブ

イベント「福祉と建築」

本プロジェクト「第3回」の実施が決定しました!

●募集要項の発表、および締切は、概ね第2回と同時期を予定しています。準備ができしだい本サイトでご案内します。
●なお、募集要項の内容は第2回から変更となる可能性があります。いましばらくお待ちください。
●さまざまな動画や記事の公開、イベントの実施を予定しています。お楽しみに。
●本プロジェクトの最新情報をメールでご案内しています。ご希望の方はこちら(Googleフォーム)でご登録ください。
※一部のメールアドレスが、システムの問題等でエラーになっています。メールが届いていないと思われる方は、再度ご登録いただくか、下記へご連絡ください。
fukushi-kenchiku@ps.nippon-foundation.or.jp


建築が変わり、福祉が変わり、まちが変わる。福祉施設が、地域に開かれた魅力ある場所となり、地域でより愛され、多様な人たちとともに地域と福祉のみらいをつくっていく。「日本財団 みらいの福祉施設建築プロジェクト」は、建築デザインを重要な要素として位置づけ、福祉施設のさらなるアップデートとこれからの地域社会づくりをサポートするための助成プログラムです。事業実施団体と設計者の協働による建築デザイン提案を含む建築関連事業プランを募集します。

開催概要

主催

公益財団法人 日本財団

名称

第2回 日本財団 みらいの福祉施設建築プロジェクト

開催趣旨

わが国における社会福祉制度は1960年代までに社会福祉六法(生活保護法、児童福祉法、身体障害者福祉法、知的障害者福祉法、老人福祉法、母子および寡婦福祉法)に基づき、整備が進められてきました。しかし、飛躍的な経済成長は急激な社会構造の変化を引き起こし、地域社会における「自助・自立」を基本とした社会福祉制度の確立を困難にしました。その結果、社会福祉は地域社会から独立した施設におけるサービスが求められるようになり、多くの社会福祉施設が設置されるようになりました。日本財団は、こうした社会のニーズに対応するべく、40年以上にわたり、数多くの社会福祉施設の建築助成を行ってきました。

近年、少子高齢化や多様性の尊重、コミュニティの希薄化といった社会背景の変化に伴い、社会福祉施設は多機能化や地域貢献への動きが活発となり、地域福祉を担う拠点としての役割が求められています。

社会福祉施設が、地域社会に開かれた魅力ある場所として認知され、まちづくりの核となっていくためには、建築デザインが重要な要素となってきます。デザインは環境をつくり、環境はサービスやケアと密接に結びついているからです。

本プロジェクトは、地域社会に貢献し、地域社会から愛され、地域福祉の拠点となる社会福祉施設をめざして、事業実施団体と設計者の協働による建築デザイン提案を含む建築関連助成事業を募集する、日本財団が新たにスタートする助成プログラムです。

助成額

● 1事業あたり上限額……5億円
● 助成件数(目安)……10事業程度(全体の予算額は非公表)
● 事業費総額に対する最大補助率……100%

助成対象

● 対象となる団体
日本国内にて次の法人格を取得している団体:一般財団法人、一般社団法人、公益財団法人、公益社団法人、社会福祉法人、NPO法人(特定非営利活動法人)、医療法人
※一般財団法人および一般社団法人については非営利型のみ対象とします。
※医療法人については、経過措置型医療法人でないことを条件とします。
※設計者参加資格は「第2回 日本財団みらいの福祉施設建築プロジェクト募集要項 <設計者向け>」「設計者参加資格」に記載のとおりです。

● 対象となる事業
福祉事業(注)を行う施設や事業所の建築関連事業(新築/改修・増築等/外構工事)
注:福祉事業とは、社会福祉法に定める第一種社会福祉事業および第二種社会福祉事業を指します。

スケジュール

● 募集期間
2022年6月1日(水)11:00~2022年9月13日(火)17:00

● 1次~2次審査
日本財団および審査委員による書類審査
募集締切後~2022年11月下旬(予定)
・1次審査通過事業を、本ページ「審査について」に掲載しています
・2次審査通過事業は、2022年12月7日頃に特設サイトおよび日本財団公式サイトに掲載します。
 ※日程は予告なく前後する可能性があります。


● 最終審査
事業実施団体と設計者によるプレゼンテーション
2022年12月中~下旬(予定)
・事業実施団体と設計者によるプレゼンテーションの日程は下記の通りです。
 2022年12月16日(金)・17日(土)両日ともに11時開始~18時終了 @日本財団会議室
 ※日時は選択できません
 ※最終審査プレゼンテーション実施要項はこちら(2022年12月5日修正・追加版)でご確認ください【※終了】


● 助成決定・通知・発表・表彰式
2023年3月~4月上旬(予定)
「日本財団 みらいの福祉施設建築プロジェクト・福祉のデザイン学生コンペ 表彰式」の日程は下記の通りです。
2023/3/14(火)14:00~@日本財団ビル
※助成決定団体以外の方には御出席いただけません
※日本財団公式YouTubeチャンネルにて後日配信があります
※詳細についてはあらためてお知らせします

募集概要

申請条件

● 事業実施団体と設計者が協働すること
● 本プロジェクトの趣旨に沿ったものであること
● 募集要項の記載内容を遵守すること

申請方法

● 本サイトで募集要項をダウンロードし、詳細を確認のうえ、申請してください
● 事業実施団体による各種書類の提出と、設計者による設計デザイン案の提出が必要です

募集要項

下記ボタンから2種類の募集要項(PDFファイル)をダウンロードしてください【※終了】
事業実施団体と設計者それぞれが、両方の募集要項を必ずご確認ください。
また、申請に必要な日本財団指定の様式はこちら(Zipファイル)からダウンロードしてください。【※終了】
※ファイルのダウンロード時に警告が表示される場合がありますが、これは一部ブラウザ(Google ChromeやFirefox)の仕様によるもので、ファイルの安全性に問題はありませんので、そのままダウンロードしてください。
※Googleフォームからの助成金ご申請は、必ず事業実施団体より行うようにしてください
※2022.06.06
「募集要項(事業実施団体向け)」の申請Googleフォームのリンクをハイパーリンクに修正しました

※2022.09.06
申請Googleフォームに「設計デザイン案登録番号」を入力いただく項目(項目番号72.)を追加しております。ご用意のうえ、ご申請ください。「設計デザイン案登録番号」とは、設計者が「KENCHIKU」サイトで取得した番号です。

よくある質問

申請条件・申請手続き、事業、審査等について、よくあるご質問と回答をこちらでご覧いただけます。【※終了】

説明会

本プロジェクトの説明会(ウェビナー)を2022年6月14日、6月24日に開催しました。定員を大きく上回るたくさんのお申し込みをありがとうございました。

メール配信

本プロジェクトに関する最新情報をメールでご案内しています。
ご希望の方は、こちら(Googleフォーム)からご登録ください。
なお、説明会(ウェビナー)にご参加の皆様については、追加のご登録は不要です。

審査について

審査委員長

審査委員

審査の視点

( 1 ) 組織(運営団体)について
【理念が明確か】
活動の理念や目指すケア・支援、それらと建築・空間との関連や相互に与える影響を考慮し、作り上げようとしていること。
【継続・発展性】
助成終了後(竣工後)においても行政からの報酬等や補助金、自己財源を活用し施設の運営を継続できること。新規に始める場合は自治体との調整が済んでいること。現行の福祉制度以外の取組みを含む場合は、全体的な資金繰りについて想定があること。
【運営の責任】
デザインの効果を最大限に活用し、支援や法人運営のさらなる発展を考え、また法人内での意識統一を図っていること。

( 2 ) 建築面について
【デザイン性】
利用者や施設職員が心地よく過ごせ、誇りを持てるような空間であること。
【地域にひらく福祉】
ハード・ソフト面において地域にひらく福祉を目指すものであること。閉鎖的な福祉施設のイメージを変えようとするものであること。
【福祉事業との関連性】
福祉への関心や団体とのコミュニケーション、周辺地域のようすから、目指す建築の最適解を試みていること。
【継続・発展性】
継続的な活用や将来展望を見据えた建築になっていること。
【現実性・経済性】
現実性および経済性を考慮した計画であること。

1次審査結果

1次審査通過事業(68事業)を決定いたしましたので、下記の通り報告します。
※申請件数:292事業(重複申請を除く)
※記載事項:設計デザイン案登録番号、事業ID
▶1次審査通過事業(PDF)

2次審査結果

2次審査通過事業(12事業)を決定いたしましたので、下記の通り報告します。
※記載事項
設計デザイン案登録番号
設計デザイン案タイトル
事業実施団体/設計者

NFP0014
オオカミの里・縁(えにし)でつながる福祉のまちづくり
(特)東吉野村まちづくりNPO/美建設計事務所+時空工房設計共同体

NFP0031
制度のはざまにいる子どものケアとご近所さんの顔がみえる拠点づくり「えんえん」
(福)大分県福祉会/矢橋徹建築設計事務所

NFP0066
希望のまちプロジェクト(救護施設・児童放課後等デイサービス・地域コミュニティスペース等複合型施設の新築)
(特)抱樸/株式会社手塚建築研究所

NFP0071
ハンディがあってもなくても共に生きる力は大地から
(福)月山福祉会/株式会社鈴木建築設計事務所

NFP0073
屋久島おじゃんせウェルネスセンター
(医)観音会/屋久島ウェルネスセンターPJ-設計共同体

NFP0106
共生の森-未来へつづく輝きのフィールド-
(福)鷹栖共生会/街制作室株式会社

NFP0118
住み慣れた自宅に戻ること、暮らし続けることを支える拠点の新築(にちこれ)
(医)医王寺会/株式会社パトラック

NFP0119
共生社会を実現するためのコミュニティ福祉施設 FUKUSHI-SHISETSU FOR CONVIVIALITY
(福)福祉楽団/株式会社ツバメアーキテクツ一級建築士事務所

NFP0179
みんなの頼れる実家 〜地域の子どもや親達の拠り所となる多機能型児童家庭支援センター〜
(福)大村子供の家/HAG環境デザイン

NFP0190
つながり、ひろがる、みんなのまち
(福)優樹福祉会/有限会社辺見設計

NFP0245
びわからガーデンヴィレッジ
(福)出島福祉村/株式会社TATTA

NFP0261
ケアを核に共愉の風景をつくる
(福)ゆうゆう/teco株式会社

(以上、設計デザイン案登録番号順)

結果発表

助成決定事業

作品名

制度のはざまにいる子どものケアとご近所さんの顔がみえる拠点づくり「えんえん」

事業実施団体

社会福祉法人大分県福祉会

設計者

矢橋徹建築設計事務所

審査委員による講評

坂茂委員長
保育園から講演の通り道となる建築という大変ユニークで魅力的なコンセプトである。しかしながら通り道というプライベートとパブリックが共存する場への開き方閉じ方の調整と配慮に改善の余地がある。特に駐車場を通り抜ける配慮が全くないのが残念である。
藤原徹平委員
子供のケアの場と保育の場と公園とが連帯することで、持続可能な地域社会の未来像を描くことができている。実際に運用していく中でも、小さな縁が連鎖して、活動の連帯によって大きな福祉の輪がつくられるよう、引き続き空間設計を工夫していってほしい。
栃澤麻利委員
保育園と公園をつなぐ動線を建物内にとりこみ、人や地域を繋いでいく計画で、丁寧に設計されています。「繋ぎ」部分のありかた、「開く部分」と「閉じる部分」の仕分けなど、改善すべき点はありますが、いずれも設計段階で解決できると思います。建築が開かれるためには、運営面も同時に検討していく必要があります。チーム全体で課題に向き合い、実現してくれることを大いに期待します。
市原美穂委員
まるで路地裏をめぐるように、人が通り抜けできる施設は、福祉のあり方を変えていくきっかけになるような気がします。少子化が続く社会で、子育ての一人一人の困りごとに眼差しを向け、また子育て世代だけでなく、多様な人々がごちゃまぜに混ざる空間が、地域をつなぎなおす事業に発展していくことを願っています。
橋本達昌委員
保育“園”と公“園”の間にあって、両者をつなぐ道となるような建築物である“えんえん”…そこでは制度の狭間にいる子どもたちへのケアワークや育児不安に寄り添うケースワーク等が行われます。新しい拠点が、孤立しがちな子どもやその家族との“えん(縁)”を深め、彼らにとって心地よい居場所となるよう願っています。
山内民興委員
子どもたちが、遊び、語らう声が聞こえてくることが自然にイメージできる事業計画になっている。学校に隣接した場に施設を建設し、生活の動線が分かりやすく、安全で多彩な学びの場になっている。子どもの輪に親たちが集い、日常の出来事が交わることで、多様な価値の受容ができ、ほのぼのさを感じる。充実した事前準備で、再度申請されたことも賞賛できる。
前田晃委員
この拠点は、保育園と公園の中間に位置し、近所の大人と子ども達が、日常的に施設内を通り抜けることで「町のとおり筋」となって交流が生まれる様に工夫した点がユニーク。ビック広間、文具・駄菓子店、コミュニティーキッチン、育児相談室、ミニライブラリーなどを配置し、希薄になっている大人と子どもたちの交流が深まる場所になることを期待します。

作品名

希望のまちプロジェクト

事業実施団体

特定非営利活動法人抱樸

設計者

株式会社手塚建築研究所

審査委員による講評

坂茂委員長
平面・断面計画は大変魅力的なのに、周辺環境への建築的配慮や魅力に乏しいのが残念である。
藤原徹平委員
日本のホームレス支援の在り方が大きく変わり得るリーダーシップのあるプロジェクトだと感じた。新しい家族像の在り方を理念の中心に置いていて、現代社会の諦念に抵抗する温かく連帯する人間の意思を強く感じた。今後の設計段階においてもプロジェクトの理念の強さと温かさとを是非表現していってほしい。
栃澤麻利委員
シンボリックな敷地での計画で、プロジェクトに対する期待や関心は非常に高いものです。囲み型の平面計画、2層構成の断面計画は、ともすれば閉じた計画になるのではないか、RCラーメン架構の力強い構造が、街並みに威圧感を与えはしないか、など、いくつかの懸念を抱きましたが、建築家の実力により、素晴らしい建築として実現されることを信じています。
市原美穂委員
常に社会や時代の犠牲になった人、弱者の人の声に耳を傾けてこられた法人の理念に敬意を表します。誰もが孤独を生きる時代に、人間性を失わないための拠点、居場所homeを作っていくプロジェクトに期待しています。
橋本達昌委員
「抱樸」は、生活困窮者自立支援の分野では、エポックメイキングな組織として極めて有名な存在です。そんな彼らは、さらに時代を画すべく「希望のまち」を創りたいと本プロジェクトにエントリーされました。新たな建物を存分に活かした支援が、どんなステキな物語を紡ぎ出していくのか、今から楽しみでなりません。
山内民興委員
長年、困難者の支援に取り組むことで得た多彩なノウハウを熟成し、新たに地域や福祉の要素を色濃く加味して、生活、訓練、自立、交流の場を建設する。さらに安定した運営と期待する成果を求めて、社会福人法人格を取得することも実現の可能性を担保できる。これを穏やかにご自分の言葉で語られた代表の提案力に共感した。
前田晃委員
「歴史的経緯のある場所で、困難な課題を解決した方々により、未来の地域づくりを次世代に引き継ぐ」といった物語の実現手段として、建物が機能することを大いに期待させる企画でした。建物の完成はもちろんのこと、この建物が地域住民の二つ目の家となり、さらに地域の拠り所として皆で育てる場所となることを期待します。

作品名

屋久島おじゃんせウェルネスセンター

事業実施団体

医療法人観音会

設計者

屋久島ウェルネスセンターPJ 設計共同体

※本事業は中止となりました

審査委員による講評

坂茂委員長
円形プランにより内・外に魅力的な空間を作り出している。しかしながら構造的に円形であるメリットをまったく生かせていないのが残念である。
藤原徹平委員
福祉施設によって自然環境の回復と地域医療の拠点形成と交流の場をつくろうとするビジョンに大変共感した。建築も単純な強さがあり、ビジョンに応え得る素地がある。離島の福祉と医療の場の確立は島嶼国の日本としては重大な課題であり、多くのフォローワーが現れることを期待したい。
栃澤麻利委員
屋久島の豊かな自然環境を取り戻すために、土中を含めた環境再生を行うという意欲的な計画で、高く評価しました。高低差のある敷地で擁壁による段差解消など、自然の流れや周辺とのつながりを断つ計画になっている部分は改善の余地があります。土木外構設計分野で、適切な専門家をチームに加えるなどの工夫により、理想の実現がはかられることを期待します。
市原美穂委員
「屋久島でずっと暮らしていきたい」と言う住民団体と、行政、医療との協働で、事業計画が創られたことが素敵です。医療資源は有限です。受益者である住民の意識の変革もあわせて、この施設が核になって、屋久島が最後まで安心して暮らせて、そして馴染みの人に囲まれて逝けるまちに成長していけるのではと思います。
橋本達昌委員
屋久島南部において医療・介護・福祉の総合拠点を創出しようという本プロジェクトからは、あの屋久島の偉大な自然のリズムと調和し、共に生きようとする覚悟を十分に感じ取ることができました。またこの地に暮らす全ての住民を快く迎え入れようとしている「おじゃんせ(ようこそ)」の姿勢にも、とても共感しました。
山内民興委員
「離島の人口減少を止める」からプレゼンが始まり、それを地域の医療、介護、福祉を充実させることで実現を目指す思想や手法は論理的である。ただ期待する成果を出せた事例は少ないが、この事案は、歯科から介護までの地域医療を手厚くデザインし、働き交流する場へと福祉を絡ませることで、住民の健康と日常会話を基本に笑顔のある生活の様子がイメージでき、成果の広がりが確信できる。
前田晃委員
屋久島の自然に大らかに溶け込み、福祉・介護・医療を支える地域の拠点となる姿が想像しやすく、全体として感性の優れた内容でした。建物の完成後は、課題を抱えた方々を支援する場所に留まらず、計画にも増して地域の方が日常的に関わる場所になることで、地元に無くてはならない存在となるよう期待したいところです。

審査委員による総評

坂茂委員長

今回12チームのプロジェクトを審査しました。
正直に言って12案福祉施設のサービス内容に関しては、全て素晴らしい提案で、全てのチームを採用したい、と思いました。
しかしながら、今回のプロジェクトの最も重要な点はタイトルに表現されているように”みらいの福祉施設建築”という観点です。
それにもかかわらずはっきり言って、ほとんどの提案は建築的に”新しさ” ”みらい”を考えた建築提案でなく、どこにでもありそうな建物のデザインであったことは大変残念でした。
各団体が普段付き合いのある地元の設計事務所と組みたい気持ちは分かるが、”みらいの福祉建築等”を提案するには、地元の事務所はもっと建築界で活躍する建築家と組んで提案を作らないと 我々の期待に沿った作品にはならないのではないでしょうか。

藤原徹平委員

みらいの福祉がどうあるべきなのか、審査員同士でも何度も問いが交わされた。
地域課題の切実さ、これまでの取り組みの歴史とチャレンジの重要性を申請書からできるかぎり読み取ろうと試みた。よい取り組みなのに建築家側の構想力が追いついていないケース、逆に魅力的な空間なのに福祉の未来像がうまく構想できてないケースもあった。地域との連携や不足しているケースも見受けられた。福祉を基点に地域社会の将来像を描くアクションの重要性は、今後大きくなる一方である。助成が落ちたら諦めるということではなく、是非粘り強く構想を練り直して引き続きチャレンジしてほしい。みらいへの構想力こそ、困難な時代に求められるものだと思う。

栃澤麻利委員

審査を振り返ると、「みらいをつくる」ことにどれだけ意欲的であるかが大きな論点だったと思います。選ばれた事業はいずれも「みらい」への希望が感じられる優れたプロジェクトであり、完成後に地域社会の中で大きな役割を担っていく施設になるであろうことが期待できます。「みらいの福祉」については、審査を通して非常に深く充実した議論ができたのではないかと思います。一方で建築デザインについては再考の余地がある提案が多く、非常に悩ましい審査となりました。事業者と設計者が一つのチームとして提案するからこそ実現できる「みらいの福祉施設」の可能性については、まだ未知数であり、今後の課題であると感じました。

市原美穂委員

このプロジェクトは、福祉施設のこれからの未来をどのように予想して描いていくのか、そんなことを実現できる可能性を秘めています。事業者と設計者が一緒になって計画を練り上げていくというプロセスも魅力的ですし、どの応募案も、理念や事業を発展させようと熱意にあふれていました。まず、準備期間の短い中、応募に至るまでのご苦労に敬意を表します。
ヒアリングでは、現在の社会のニーズに添っているか、この施設が完成することで、地域にどんな化学変化が起きるか、理念や組織運営は、20年先、30年先の未来を見据えてのプランであるのかという視点でお聞きしました。その中で選別せねばならず、不採択になった団体もありますが、立案された事業をさらにブラッシュアップされ再チャレンジしていただきたいと願います。
未来の福祉施設がどうあったら良いのかと思考し応募されたことそのものが、今後の医療・福祉のあり方を変えていく一つのきっかけになるのではと確信しています。

橋本達昌委員

米国における黒人映画俳優の草分け的存在であったシドニー・ポアチエは、「危険を冒しても前へ進もうとしない人、未知の世界を旅しようとしない人には、人生はごくわずかの景色しか見せてくれない。」との至言を残していますが、今回、採択された「みらいの福祉」を包み育む建築事業は、いずれも冒険心やチャレンジ精神に満ちており、各々の地域において新しい景色を創出していくに違いありません。さらにこのような景色の出現は、自ずと夫々の福祉領域において前衛的なビジョンやアイデアを提示することとなるでしょう。3件のプロジェクトが既存の閉塞的で教条的な福祉施設概念を打ち破る嚆矢となることに大いに期待しています。

山内民興委員

この事業は、未来の福祉をイメージした事業と実現に必要な施設を建設する2つの課題があり、これらが連動することで地域の福祉に新たな価値と可能性を創り出す。そのために、地域の主要なインフラである教育、医療、福祉及び行政や企業が共同して、安心で信頼できる地域づくりの挑戦を支援するものである。審査は、主に先駆性、実現性、継続性で評価したが、最大5億円の助成額に相応する、福祉と建築を包括し、凌駕している内容の熟度が低く、既存事業の分析、新事業の計画、試行期間及び体制の整備が不十分なままで申請している印象がある。是非、可能性のある案件が多いので準備をされて再度の申請を期待したい。

前田晃委員

「建築が変わり、福祉が変わり、まちが変わる」を掲げ、将来街のシンボルとして親しまれるモデル施設を目指す本プロジェクト第2回目を終え、次回以降も特色ある福祉施設を提案(申請)して頂くために、福祉事業者と建築設計士に加え街づくりの専門家の知見を取入れた施設の検討が必要ではないかと感じました。既にそうしたプランも申請に含まれていたのかも知れませんが、今後も毎年募集しモデル施設を増やしてゆく計画であり、申請者の皆さんには、選考されなかったからといって諦めずに、どのような福祉施設が求められているのか、施設運営側(福祉事業者)・デザイン建築設計者・街づくり専門家が各々の強みを発揮して、モデル施設として全国に示すプロジェクトの提案・申請を期待しています。今回選考された3事業が、福祉分野に新風を吹き込んでくれることを期待します。

※最終審査(プレゼンテーション)後に残念ながら不採択となった団体のみなさまには、審査委員からのコメントをお送りいたしました。是非、今後の参考としていただけますと幸いです。
※助成決定となった3事業に関しては、設計段階において、計2回を目安として専門家による設計デザインレビューを実施予定です。

トピックス

2023.03.30

表彰式を行いました【YouTube】

2023.03.11

最終審査会(プレゼンテーション)Vol.2/2【YouTube】

2023.03.11

最終審査会(プレゼンテーション)Vol.1/2【YouTube】

2022.08.08

坂茂氏(審査委員長)のインタビュー動画【YouTube】

2022.07.20

藤原徹平氏(審査委員)のインタビュー動画【YouTube】

2022.07.20

栃澤麻利氏(審査委員)のインタビュー動画【YouTube】

2022.07.06

山内民興氏(審査委員)のインタビュー動画【YouTube】

2022.07.06

市原美穂氏(審査委員)のインタビュー動画【YouTube】

2022.07.06

橋本達昌氏(審査委員)のインタビュー動画【YouTube】

2022.06.21

第1回 助成決定団体インタビュー【社会福祉法人丹緑会/合同会社わくわくデザイン】

2022.06.21

第1回 助成決定団体インタビュー【特定非営利活動法人縁活/b.i.n木村敏建築設計事務所】

2022.06.21

第1回 助成決定団体インタビュー【社会福祉法人新生福祉会/株式会社伊東豊雄建築設計事務所】

2022.06.08

2021(第1回)助成決定団体インタビュー【特定非営利活動法人かしわのもり/株式会社トコト一級建築士事務所】

2022.06.08

2021(第1回)助成決定団体インタビュー【社会福祉法人聖救主福祉会/JAMZA一級建築士事務所】

2022.06.08

2021(第1回)助成決定団体インタビュー【一般社団法人Burano/NIDO一級建築士事務所】

2022.05.26

連携イベント「福祉と建築」を開催します

お知らせ

2023.02.06

「日本財団 みらいの福祉施設建築プロジェクト・福祉のデザイン学生コンペ 表彰式」の日程を公開しました。「開催概要」スケジュール欄で掲載しています。

2022.12.07

2次審査通過事業(12事業)を決定いたしました。「審査について」で掲載しています。

2022.12.05

最終審査プレゼンテーション実施要項が変更となりました。「開催概要」スケジュール欄にアップしています。

2022.11.13

「開催概要」スケジュール欄に最終審査プレゼンテーション実施要項を公開しました。

2022.10.12

1次審査通過事業(68事業)を決定いたしました。「審査について」で掲載しています。

2022.09.09

「開催概要」スケジュール欄に1次審査通過事業の発表、2次審査通過事業の発表、最終審査プレゼンテーションに関する日程を公開いたしました。

2022.07.20

申請締切間際のお問い合わせに関しましては、対応できかねる可能性もございますので、あらかじめご了承ください。ご申請はできる限り余裕をもって行っていただきますよう、お願いいたします。

2022.06.22

本プロジェクトに関する「よくある質問」と回答をこちらでご覧いただけます。【※終了】

2022.06.01

募集をスタートしました。詳細は募集要項をご確認ください。

2022.05.26

「第2回 日本財団 みらいの福祉施設建築プロジェクト」特設サイトをオープンしました。

お問い合わせ

■ 助成金に関するお問い合わせ

日本財団 公益事業部 国内事業審査チーム
「日本財団 みらいの福祉施設建築プロジェクト」担当

fukushi-kenchiku@ps.nippon-foundation.or.jp

※事業内容に関するご相談や、採択可能性に関するご質問は回答いたしかねます。

■ 「日本財団 みらいの福祉施設建築プロジェクト」事務局

nfp@kenchiku.co.jp(株式会社建報社 内)

痛みも、希望も、未来も、共に。