日本財団 みらいの福祉施設建築プロジェクト

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【中編】みらいの福祉施設建築フォーラム報告

テキスト: 馬場未織 / 写真: 川島彩水

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パネルディスカッション2
福祉施設の『前提』を疑い、よりよい支援を行う福祉のあり方

ファシリテーター

  • PwCコンサルティング合同会社 当新卓也氏

ゲスト

  • 株式会社THEM NAGAYA TOWER事務局 堂園春衣氏 ※オンライン参加
  • 株式会社ぐるんとびー代表取締役、理学療法士 菅原健介氏
  • みんなの家タブノキ代表 深山直樹氏

■登壇者自己紹介

当新卓也氏(以下、当新) 私はPwCにて福祉関係の調査研究等を担当しております。前職は厚生労働省におり、児童福祉や障害児の関係の福祉に携わっていました。
今日のお三方は、皆さんが考えている福祉とは全く違う福祉の事業や活動をされていると思います。今日はこの時間を通して、改めて福祉とはなんだろうか、自分がやりたいことって何だろうか、と考える時間にしたいと思っています。

当新卓也氏

堂園春衣氏(以下、堂園) 私は鹿児島中央駅近くのちょっとかわった賃貸住宅「NAGAYA TOWER」の事務局長をしています。8歳から91歳の方がいて、ファミリーホーム、小規模の児童養護施設があります。併せてこども食堂、こども園、保育園、児童発達支援事業所、児童クラブを運営しています。「微笑みを交わす人がいれば、人生は幸せ」というのを定礎として掲げています。
NAGAYA TOWERは普通の賃貸住宅として、事務局3人で運営しています。社会福祉法人の収益事業ではなく株式会社の不動産賃貸事業としてやっているので、何かを始めるときにフットワークが軽いです。

このNAGAYA TOWERをつくったのは父の堂園晴彦です。緩和ケアのホスピスの有床診療所を運営していました。死に向かう入院患者さんを看取りつつ、患者の人生に寄り添う「人生科」を開設して医療に取り組んでいます。孤独感や孤立感に悩まされて心の病になってしまう方が多い現実や、検死の仕事で孤独死の方を多く見る中で、人間同士の絆の再生を最後の仕事にしたいということでNAGAYA TOWERをつくりました。

堂園晴衣氏

基本計画は屋久島に住むアメリカ人建築家・ウィリアム・ブラワーさんが描いてくれました。一般賃貸住宅と比べてちょっと変わっているのは、大きなリビング「みんなのLDK+台所」や「空中庭園」、「みんなのお風呂」など共有スペースが多いところです。もうひとつ特徴的なのは、ベランダを仕切る壁がないことです。お隣りさん同士が行き来でき、好きなところに移動してくつろいだり、屋上にテントを出して星を見たりと楽しんでいます。

NAGAYA TOWERで一番若い子たちが、小規模な児童養護施設「ファミリーホーム冨永さんち」の小学生。現在は5人います。学校を卒業するとファミリーホームを出なければならないのですが、2階のシェアハウスに住み替えてもらってサポートを続けています。また、70歳以上の方は63%ほどで、たまにお看取りもあります。4年前に亡くなったYさんの息子さんは、お母様の思いを代筆したお手紙をくださいました。「ここが本当に自由でした」と。すごく嬉しかったです。

70歳以下で発達障害や軽度知的障害がある方の生活支援もしています。介護の資格は持っていないので身体介護はしないんですが、生活介護の隙間を埋めるかんじですね。

人の交わりの仕掛けづくりは、事務局の私たちがしています。映画会や演奏会のほか、晩ご飯会の時などは50人くらい集まったりします。そうしたイベントを通じて地域ともつながりが生まれています。
ただ、私たち事務局が何かを「する人」で住人さんが「される人」という構造ではありません。事務局がお休みの時には住人さんにいろいろ手伝ってもらいますし、若者には高齢者の方の家の窓拭きや、電球替え、掃除など手伝ってもらうことが多く、時給1000円程度で家賃からまとめて差し引くなどしています。

わたしたちは生活を支援する立場ではありますが、管理することはないようにしようとしています。施設ではなく、住宅だということです。

菅原健介氏(以下、菅原) 「ぐるんとびー」の菅原と申します。僕らは「地域をひとつの大きな家族に」という考えのもと、神奈川県藤沢市の湘南大庭地区で介護事業所をやっています。
原点は3.11です。看護のボランティア団体のコーディネーターとして現地に入った経験から、これからの地域社会には困ったときに助け合う文化が必要だと切実に感じました。日本で初めてURの団地の一部屋に介護事業所を入れ、スタッフも高齢者も僕たちもみんなで一緒に住みながら困ったら介護事業を使うようなかたちです。

認知症の方や統合失調症の方も当たり前のように子どもと一緒に暮らし、プールに行きたい人は行く、音楽したい人はする。おじいちゃんが夜中にラーメンを食べた動画が1000万回再生されて、社会問題になったこともあります。多少のリスクがあっても、リスクを選択する自由があってもいい。96歳の爺ちゃんが死ぬ前に好きなものを食べて何が悪いんだ、と。楽しみがあることが生きる意欲を高めるのに、それを取り上げられて安心・安全はないと思っています。

菅原健介氏

小規模多機能や看護小規模多機能は特に本人や家族とつながりが強いので、夜中に亡くなられた方がいてもスタッフたちは勝手に集まってきます。また、住民としてのつながりもあり、誰かが倒れても救急車ではなくうちのスタッフが呼ばれることがあったりもするのですが、同じ団地に住んでいるのですぐ駆けつけられます。

介護も防災も、掃除もイベントも、すべて暮らしです。そのなかで住民力を最大化していくのが僕らのやっていることです。介護事業所なのに夏祭りをつくり出したりするのは、そこから人と人がつながり、助け合う関係が生まれていくからです。
僕らが大事にしているのは、「関係性」の上に「コミュニケーション」があり「リスペクト」が生まれるという構図です。その上でようやく専門性が生かされる。これは、僕が中学高校時代に暮らしていたデンマークの教育でも言われていたことです。

傍らでNPOの活動も増え、追い詰められている家庭を助ける「ハイパーレスキュー」もしています。たとえば、認知症のおばあちゃんと息子さんの2人暮らしの家では、おばあちゃんが警察に年間200回保護され、息子さんがおばあちゃんを家に閉じ込めドアの前にブロックを積んでいました。普通の事業所では関わることを躊躇するでしょうけれど、そうすると社会は孤立する過程を生み出していくので、僕らはとことん一緒に行動し、彼らの課題にひとつひとつ伴走します。これも介護と捉えています。

暮らしのリアルを見ない建築は不完全だと思うので、一緒に暮らしを見ながら考えさせてもらえればと思います。

当新 福祉の話がなかったですね。

菅原 全部福祉です。

深山直樹氏(以下、深山) 僕は長野県小諸市にある「みんなの家タブノキ」という事業所の代表をしております。
古民家をセルフリノベーションし、みんなで生活を共にしているというかたちになります。東京で1人親方の大工をしているいとこが長野まで来てくれて、僕らの事業所の改修を手伝ってくれたことによって開業できました。彼は自分たちの事業所の開発者の1人だと僕は思っています。また、多くの先輩たちが「暮らしの中に福祉を持ってくる」ことを実践されているので、僕はそのまま真似っこしただけだと思っています。

生まれは東京都府中市で、30年暮らしたのちに脱出してきました。前職では林業をしていましたが挫折し、その後デイサービスで介護の仕事をしながら「ここでは本当に、本人を中心に考えているんだろうか?」と疑問を持ちました。周りの人たちが全部決めてしまい、本人は口が出せないような状態に追い込んでいるように見えたのです。

深山直樹氏

そこで、本人を輪の中におかない事業だけはしないと心に決め、2020年に自分の事業をスタートさせました。
時間割をつくると人は管理的になるので、時間割をつくらない。また、リスクがないよう安心安全ばかり選ぶと「やる気がなくなるリスク」が立ち上がることも警戒しました。さらに、お年寄りたちが自分たちを助けてくれて「ありがとう」と言ってもらえる循環が生まれる仕掛けを考えました。
認知症をお持ちになっていても、昔持ったノコギリは使える。そんな方たちが活躍できるリノベーションの現場をつくると、介護の現場で居場所がなかった男性たちが生き生きと活躍します。僕らの事業所は全部、古民家を改修しているので、その工事施工に関わってもらうのです。

建築は建築のプロに任せるべき、という固定概念があると思いますが、事業所を改修してくれたいとこに「なぜ自分たちで設計を考えようとしないんだ?」と言われた時、目から鱗が落ちました。建築を自分事として捉えて、その時ニーズがあるものをその場で考えていく柔軟さが大事なんですよね。当初カウンターキッチンにしようとしていた空間をオープンキッチンに変えた結果、その場にいる人全員が参加できる空間になった、という経験も生まれました。

今の子どもたちに明るい未来が待っているとは思えませんが、何か希望を残すとしたら、物事は決めつけて考えるのではなくて、自分たちの力で動かすことも、変化させることもできるのだということを示していきたい。そんな暮らしを続けていきたいと思います。

■事業はどのように始めればいいか

当新 私が厚労省でやってきた福祉って何なんだろうと思っちゃいました。ザ・福祉ではなく、課題を解決しようと思って何か事業を始めた結果、福祉的ないろんなことが混ざって始まり、現在のかたちになっているかと思います。
これからお三方と同じようなことを始めたいと思ったとき、何からどうやって始めたらいいのか教えていただけますか?

堂園 私達はラッキーにも国交省の高齢者等居住安定化推進事業というモデル事業に選定されて設計費の3分の2と建築費の10分の1を補助していただけました。さらにいろんな銀行に当たり、事業の趣旨を説明していったところ「よくわかった、これからの時代に大事なことだから」と低金利で貸してくれる銀行がありました。

菅原 僕らの真似はしない方がいいと思います。人の想いを仕組み化・ルール化するプロセスは気持ちが萎えていくので、そのルートを辿らず活性化させていくのがすごく大変でした。
例えば、うちの理学療法士が産後リハを始めたのですが、頑張ってもあんまり人が来なかった。そこで「専門性を先に振りかざしても誰も来ないので、まずは駄菓子屋をタダでやって、その地域の子どもたちが来てくれるところから、お母さんたちとつながって、体の相談に乗り、そこで専門性が発揮できる環境をつくっていくのがいいのでは」と話をしたのですがずっと理解してもらえず、3年経ってやっと「理解できた」と。本人たちが試行錯誤して納得する過程が大切なんですが、葛藤は怒りとしても跳ね返ってくる。その過程がないと駄菓子屋はやらないですね。

深山 菅原先輩はじめ、この道の先輩たちは本当に気前がいいんです。聞いたら教えてやるよという姿勢でいてくださる。なのでいいところは全部パクッてしまえばいい。そもそもその人の人生はオリジナルなので、手法的なものは全てパクるというのが僕らの姿勢です。パクッているうちに必ずいいものに出会えると思っています。

■「福祉施設3.0」をつくるには

当新 昨年、わたしは日本財団さんの「みらいの福祉施設建築プロジェクト」の評価分析の定義をつくるところをご一緒させていただき、その中で「みらいの福祉とは何か?」について相当議論しました。議論していく中で、昔は福祉というのは自分とは無関係の山奥に施設があった。それが「福祉施設1.0」ですね。「福祉施設2.0」というのは街中に入ってきたけれど、やっぱり箱物をつくるイメージからは抜けていないもの。その先の「福祉施設3.0」というのが、今回のプロジェクトで生み出そうとしている先進的な事業なのだろうという考えに至り、「福祉施設3.0」というワーディングを提案させていただきました。
お三方は「福祉施設3.0」も越えていますが、つくられるときのこだわりがあるのではないでしょうか。

堂園 大変でしたよ。建てるときは行政に、助成金をもらってこういう建物が建つという話を一応したのですが、「それは高齢なのか児童なのか障害なのか、分けてもらわないと困る」と言われ、もういいやと思いました。行政の方にはなかなか理解してもらえなかったので、株式会社でやってよかったなと思っています。
建物の面で言えば、東日本大震災後に医療支援に行っていた父が、復興住宅は扉が向かい合っていないことで住戸同士のつながりがなかった状態を見ていて、NAGAYA TOWERではV字型の配置にして玄関を出たら相手と目が合うというちょっと不便な環境をつくました。

菅原 僕はそもそも、建築は福祉だと思っています。僕らがどれだけソフトで動いても環境が悪いとどうにもならないです。人は環境によってケアされるからです。
例えば、夜も蛍光灯がついていて落ち着かないという話をする方がいます。交感神経が優位になる設計にしてるのに、という話は飛ばして「夜落ち着かないんです。薬飲ませないと」と言っていたりして驚きます。五感を大事にするのが基本ですよね。
また、建築の専門性を出しすぎると綺麗になりすぎてしまい、医療施設的な方に寄りすぎて暮らしからかけ離れてしまうので、白黒はっきりさせない、便利にしすぎない、まっすぐにしすぎないよう意識しています。

深山 日本はこれだけたくさんの空き家があるにもかかわらず、空き家を活用されていません。本来は古い家ほど落ち着く場所はないはずです。生活の匂いがあり、完璧でないからこそ福祉的な良さがたくさん内在されているので、そこに建築家の方も福祉の方も注目していいのではないかと思います。

当新 空き家物件をネットなどで見つけたとき、事業と合った物件かどうか見極めるにはどうすればいいでしょうか。

深山 人が行き来するところにはオープンスペースが生まれて、行き止まりにはクローズドなスペースが生まれるという原則があるので、まちにおけるその物件の位置と事業との親和性を見るのがいいと思います。
また、福祉施設において200平米以下であれば用途変更時の手続きが不要になった、という規制緩和を利用することです。例えば20名以下のサービスを提供しようとすると機能訓練室の面積が60平米必要ですが、200平米あれば余剰分に介護事業を展開する余地がある。そこに空き家活用のメリットがあると思います。

■質疑応答

「事業の申請をするとき行政との関わりが必要になってきますが、みなさんの行政の方々との関係づくりの実情を教えていただけますか?」

堂園 うちは国交省の補助金をいただいて10年間報告した他は、税務署ぐらいしか関わりがありません。ある大きい助成金をもらってメディアに名前が載ったら、行政から連絡が来て「それはサ高住なのか、何なのか」という話になって、全部違いますと答えて終わりました。

菅原 僕らは怒られるときと褒められるときが半々です。行政から常に評価されてるというのは難しいですし、常に怒られ続けるのもなかなか難しい。だから両方です。申請するときは感情的にならないスタッフで行かないといけないと思っています。

深山 まず、行政の方を自分たちと相反するところにいるとは思わないようにはしたいと思っています。主語をなるべく広いところに持って、あなたも自分たちと一緒のところにいる人たちじゃないですかという姿勢で行くと、中には歓迎してくださる方もいます。

菅原 行政とは見えてる世界も今までの文化も違うので、ネガティブな意味ではなく絶対わかり合えないです。同じ言葉を言っていてもずれているので。そこのすり合わせは、関係性・コミュニケーション・リスペクトの積み重ねで補う必要があるんですけどね。

当新 前職が厚労省職員なので一般的な行政マインドをお伝えすると、今日菅原さんにあえて「福祉の話がなかったですね」とお尋ねしたら菅原さんは「これ全部福祉です」とおっしゃいました。この認識の差に尽きます。行政の方は法令等に縛られながら仕事をしているので、少しでも自分の所轄ではない話が来ると拒絶してしまうのかもしれません。ですが、熱心な職員さんも多数いらっしゃる。こういう方を仲間にして、ご自身の事業を説明してご理解いただくのがいいのかなとは思います。

「福祉の人材が集まりにくい中で、次世代の人たちへの教育で工夫されていることはありますか?」

菅原 分かり合えないことを楽しめるかどうかですね。一方通行の教育だと、ある域に達するとやめちゃいますけれど、分かり合えないことを楽しめると自分でどんどん学びが深めていけるところはあります。

深山 福祉の人材が少ないって言われているのは福祉の業界にいる人だけじゃないかと感じています。赤ちゃんを連れてくるお母さんが働く、というボランティアを募るとたくさん人材が集まってきます。今まで知らなかった人たちが福祉の業界に入ってきてないだけだと思うので、そういう人たちがいかに振り向いてもらえる場をつくるか、だと思います。

当新 福祉人材って、福祉関係の資格を持ってる人だけではなくて、人類皆そうなんですよね。

菅原 ここにいる方すべてです。仕事も建築もそうですが、みんなパリッと分けすぎなんです。

「どの事例も意欲的な活動で素晴らしいと思います。ただ、代表の強烈な能力やクセ、スタッフや事業所の自己犠牲の上にしか成り立たないのではないでしょうか?そのモチベーションはどこから来ているんでしょうか?」

堂園 強烈な個性は父ですけれども、「あっち行くよ」と旗振る人はやはりどうしても必要だと思います。現場はあまり自己犠牲になっていないですね。やる人される人の関係性をつくっていませんし、日曜祝日はスタッフは休みです。また、生活を共にすると運命共同体として愛情がわくので、それがモチベーションにつながっています。

菅原 うちはスタッフの方が個性的でキャラが濃いんですよ。団地で水漏れがあるとうちのスタッフが怒られたり、住民同士の喧嘩になったときに間に仲裁に入ったり。コミュニティを運営するコーディネーターの役割を担っています。僕らも住民だからいいんですけどね。
しかも、多世代になったときには世代を超えて分かり合うのはとても難しい。廊下で子どもが走っているとじいちゃんが「危ない!」って言うじゃないですか。そして、親まで「おじいちゃんが危ないって言ってるからやめなさい」と言うじゃないですか。僕は違って、子どもは「じじい邪魔だ」って言えばいいと思うんです。どちらの意見も正しいよね、と間を取っていく人がいないと、どちらかに偏るので。

当新 何の話でしたっけ。笑

深山 皆さんは「人に人が集まる」と思っていらっしゃるかもしれないですけど、僕は言葉に人が集まってきてると思うんです。菅原さんの一番の魅力はとんがった言葉だと思っていて。こういう言葉って誰の胸の中にもあり、ど真ん中の1行を掘りあてれば、人は集まってきて活動を共にすることができると思うんです。僕らの場合は「共に暮らしやすい地域をつくる」というのを掲げています。

「建物を見ていて、こういうのはよくないと思うようなポイントがもしあれば、教えてください」

堂園 カクカクしてて、管理のしやすさが優先されているところは無理ですね。無駄がないところも無理です。うちは家賃事業としては収益の出ない共有スペースばかりで、そういう意味では絶望的な空間設計です。でも無駄が生まれる場所がないところは嫌です。

菅原 いろいろな友達がかっこいいサービス付き高齢者向け住宅を運営していて、一流のシェフがご飯をつくってます、なんてこともあります。それも良いと思う。でも皆さんは毎日、一流シェフのご飯を一生食べ続けたいですか? 僕はマクドナルドも行きたいし地域の居酒屋も行きたい。そうすると、何かひとつに絞らないのがよく、可変性があるといいなと思いますね。あとちょっとダサイ感じもいいかもしれないです。

深山 建物そのものというよりも、そこで暮らしていたときにツルッとしてない感じの方がいいかなと思ってます。使っているとどうしても雑然としてしまう、そこにワサッとした暮らしが生まれてしまうような空間がいいです。

当新 皆様ありがとうございました。これから福祉事業を始めるという方は、既存の概念にとらわれずに新しいことに挑戦していただければと思っています。

→【後編】へ続く

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