学生コンペ

建築が変わり、福祉が変わり、まちが変わる。福祉施設が、地域に開かれた魅力ある場所となり、地域でより愛され、多様な人たちとともに地域と福祉のみらいをつくっていく。「日本財団 みらいの福祉施設建築プロジェクト2021」は、建築デザインを重要な要素として位置づけ、福祉施設のさらなるアップデートとこれからの地域社会づくりをサポートするための新しい助成プログラムです。事業実施団体と設計者の協働による建築デザイン提案を含む建築関連事業プランを募集します。

※本プロジェクトについて、2022年度も実施することが決定しました。募集期間は6月~9月初旬を予定しています。準備ができしだい本サイトでご案内します。
なお、募集要項については、2021年度の内容から変更する可能性があります。いましばらくお待ちください。

開催概要

主催

公益財団法人 日本財団

名称

日本財団 みらいの福祉施設建築プロジェクト 2021

開催趣旨

わが国における社会福祉制度は1960年代までに社会福祉六法(生活保護法、児童福祉法、身体障害者福祉法、知的障害者福祉法、老人福祉法、母子および寡婦福祉法)に基づき、整備が進められてきました。しかし、飛躍的な経済成長は急激な社会構造の変化を引き起こし、地域社会における「自助・自立」を基本とした社会福祉制度の確立を困難にしました。その結果、社会福祉は地域社会から独立した施設におけるサービスが求められるようになり、多くの社会福祉施設が設置されるようになりました。日本財団は、こうした社会のニーズに対応するべく、40年以上にわたり、数多くの社会福祉施設の建築助成を行ってきました。

近年、少子高齢化や多様性の尊重、コミュニティの希薄化といった社会背景の変化に伴い、社会福祉施設は多機能化や地域貢献への動きが活発となり、地域福祉を担う拠点としての役割が求められています。

社会福祉施設が、地域社会に開かれた魅力ある場所として認知され、まちづくりの核となっていくためには、建築デザインが重要な要素となってきます。デザインは環境をつくり、環境はサービスやケアと密接に結びついているからです。

「日本財団 みらいの福祉施設建築プロジェクト 2021」は、地域社会に貢献し、地域社会から愛され、地域福祉の拠点となる社会福祉施設をめざして、事業実施団体と設計者の協働による建築デザイン提案を含む建築関連助成事業を募集する、日本財団が新たにスタートする助成プログラムです。

助成額

● 1事業あたり上限額……3億円
● 助成件数(目安)……10件程度(申請の状況による。全体の予算額は非公表)
● 事業費総額に対する最大補助率……100%

助成対象

● 対象となる団体
日本国内にて次の法人格を取得している団体……一般財団法人、一般社団法人、公益財団法人、公益社団法人、社会福祉法人、NPO法人(特定非営利活動法人)、医療法人
※一般財団法人および一般社団法人については非営利型のみ対象とします。
※一般財団法人、一般社団法人、NPO法人(特定非営利活動法人)については、福祉事業(社会福祉法に定める第一種社会福祉事業および第二種社会福祉事業)を現に1事業以上実施していることとします。
※医療法人については、経過措置型医療法人でないことを条件とします。

● 対象となる事業
福祉事業(注)を行う施設や事業所の建築関連事業(新築/増築/改修/改造/外構工事) 注:福祉事業とは、社会福祉法に定める第一種社会福祉事業および第二種社会福祉事業を指します。
※同建物内に制度外のもの(ギャラリーやカフェ等)が含まれていてもかまいません。また、複数の制度を活用するものでもかまいません。
※隣接した複数の建物を申請する場合、全体が一体のプランであれば可とします。

スケジュール

● 募集期間
2021年6月14日(月)11:00~2021年10月15日(金)17:00

● 1次審査
募集締切後~2021年11月下旬……日本財団と審査委員による書類審査

● 1次審査結果通知
2021年11月末~12月上旬……ウェブサイト上および事務局からの連絡により発表

● 2次審査
2021年12月下旬……事業実施団体と設計者によるプレゼンテーション

● 助成決定・通知・発表・表彰式
2022年2~3月頃

募集概要

申請条件

● 事業実施団体と設計者が協働すること
● 本プロジェクトの趣旨に沿ったものであること
● 募集要項の記載内容を遵守すること

申請方法

● 本サイトで募集要項をダウンロードし、詳細を確認のうえ、申請してください
● 事業実施団体による各種書類の提出と、設計者による設計デザイン案の提出が必要です

募集要項

下記のボタンから2種類の募集要項(PDFファイル)をダウンロードしてください。事業実施団体と設計者それぞれが、両方の募集要項を必ずご確認ください。 なお、一部、日本財団指定の様式が必要です。こちら(Zipファイル/2021.9.30 一部改訂)からダウンロードしてください。
※Zipファイルのダウンロード時に警告が表示される場合がありますが、これは一部ブラウザ(Google ChromeやFirefox)の仕様によるもので、ファイルの安全性に問題はありませんので、そのままダウンロードしてください。
※Googleフォームからの助成金ご申請は、必ず事業実施団体より行うようにしてください

説明会

本プロジェクトの説明会(ウェビナー)を7/16(金)に開催しました。
定員(500名)を大きく上回るたくさんのお申し込みをありがとうございました。

メール配信

本プロジェクトに関する最新情報をメールでご案内しています。
ご希望の方は、こちら(Googleフォーム)からメールアドレスをご登録ください。
なお、7/16(金)に開催した説明会(ウェビナー)にご参加の皆様、および、動画公開お知らせ受信希望フォームにご登録の皆様については、追加のご登録は不要です。

審査について

審査委員長

審査委員

審査の視点

( 1 ) 組織(運営団体)について
【理念が明確か】
活動の理念や目指すケア・支援、それらと建築・空間との関連や相互に与える影響を考慮し、作り上げようとしていること。
【継続・発展性】
助成終了後(竣工後)においても行政からの報酬等や補助金、自己財源を活用し施設の運営を継続できること。新規に始める場合は自治体との調整が済んでいること。現行の福祉制度以外の取組みを含む場合は、全体的な資金繰りについて想定があること。
【運営の責任】
デザインの効果を最大限に活用し、支援や法人運営のさらなる発展を考え、また法人内での意識統一を図っていること。

( 2 ) 建築面について
【デザイン性】
利用者や施設職員が心地よく過ごせ、誇りを持てるような空間であること。
【地域にひらく福祉】
ハード・ソフト面において地域にひらく福祉を目指すものであること。閉鎖的な福祉施設のイメージを変えようとするものであること。
【福祉事業との関連性】
福祉への関心や団体とのコミュニケーション、周辺地域のようすから、目指す建築の最適解を試みていること。
【継続・発展性】
継続的な活用や将来展望を見据えた建築になっていること。
【現実性・経済性】
現実性のある案および経済性を考慮した金額根拠であること。

1次審査結果

当財団および審査委員による書類審査の結果、一次審査通過事業(20事業)を決定いたしましたので、下記の通り報告します。
※申請件数:472事業(重複申請を除く)
※記載事項
設計デザイン案登録番号
設計デザイン案タイトル
事業実施団体/設計者

NFP0012
農と生業のゆらぎの中で生きる ー連関の内側に自分を発見する場ー
特定非営利活動法人CCV/建築設計室わたなべ

NFP0029
奥能登プロジェクト -“ごちゃまぜ”で繋ぐ地域の心-
社会福祉法人佛子園/株式会社kyma

NFP0055
まち化する福祉施設 レンガの家
特定非営利活動法人かしわのもり/株式会社トコト一級建築士事務所

NFP0113
ナミワケ荘 福祉と地域をつなぐ「出張所」
社会福祉法人ライフの学校/株式会社トミトアーキテクチャ

NFP0194
サッカー×福祉×建築から地域に出来事の連鎖を起こす
社会福祉法人来島会/有限会社rulafa

NFP0260
BURANO OYAMA ー医療的ケアが必要な子どもたちと家族の欲張り拠点ー
一般社団法人Burano/NIDO一級建築士事務所

NFP0268
農業とともに、時を編む。「どうぞ」の里へ。
社会福祉法人無門福祉会/株式会社日比野設計

NFP0302
集落に繰りだす福祉 溶けこむ施設
特定非営利活動法人縁活/b.i.n木村敏建築設計事務所

NFP0342
「たなごころ」の自立援助ホーム
特定非営利活動法人山の薬剤師たち/一級建築士事務所秋山立花

NFP0355
共に歩み、共に生きる みらいを育むみんなの大きなにわ
医療法人寿栄会/株式会社ofa

NFP0369
地域の一部となれ
社会福祉法人丹緑会/合同会社わくわくデザイン

NFP0371
まちの庭
社会福祉法人わたぼうし/architectural design market一級建築士事務所

NFP0372
「あそびのある森」Sorashi-do Fields
特定非営利活動法人あおぞら/株式会社東海林健建築設計事務所

NFP0410
3つの屋根と多世代が集う憩いのケアパーク-混ざり合う子育て支援センター、みんなのスペース、カフェの計画-
社会福祉法人清鳳会/株式会社山田伸彦建築設計事務所

NFP0412
地域から求められる施設を ~さまざまな障害特性の方とも、気持ちよく生活できる住まいへ~
社会福祉法人久美愛園/株式会社横松建築設計事務所

NFP0476
深川えんみち
社会福祉法人聖救主福祉会/JAMZA一級建築士事務所

NFP0490
体験型福祉施設「ボナプール楽生苑」
社会福祉法人新生福祉会/株式会社伊東豊雄建築設計事務所

NFP0501
地域活性化交流拠点 日吉吉日
社会福祉法人日置福祉会/ウチダアーキテクトオフィス

NFP0512
HARA's FARM WAGATANO TERRACE(ワガタノ テラス)
社会福祉法人三篠会/株式会社あい設計

NFP0535
つくりながら育てる場 Community Village ホドホド
一般社団法人おひさま/一級建築士事務所 大西麻貴+百田有希 / o+h

(以上、設計デザイン案登録番号順)

結果発表

助成決定事業

作品名

まち化する福祉施設 レンガの家

実施事業団体

特定非営利活動法人 かしわのもり

設計事務所

株式会社トコト一級建築士事務所

審査委員による講評

竹宮健司委員
本計画施設は、高齢者の小規模多機能型居宅介護施設を中心に、地域住民が気軽に利用できる場所を複合した福祉活動拠点を目指している。施設は、宅老所の機能をもつ既存住宅と、その他の機能をもつ増築棟を、大屋根と縁側で包み込む構成となっている。施設南側に設けられた縁側は、風除室の役割を持ちながら、福祉目的の利用者と地域住民との交流の場となるよう、広く開放的にデザインされている。敷地周辺地域に見られる形態や素材を用いることで、地域住民に受容されやすい寛容な佇まいとなっている点も高く評価される。
塚本由晴委員
既存の煉瓦造の小屋をコンクリートで構造補強し、さらに木造の屋根とサンルームで包み込むことで生まれた余白に陽の光を集め、人々がそこ集う情景は暖かさに溢れています。農場に点在する他の既存構造物も丁寧に改修され、農地も耕されていくことで、人、建物、環境全てに、ケアの精神が行き渡っていくことが期待されます。
森下静香委員
訪問看護等の地域ケアに加え、健康づくりや教育、交流等の活動に積極的に取り組んできた実績からも、本来制度で区切ることのできないまちづくりの視点が感じられた。切実なニーズに対し、専門家だけではなく地域の人たちと真摯に、そして楽しみながらディスカッションや実践を進めてきたことを今後も継続し、福祉やケアに関心をもつ市民の層を厚くするための拠点となっていくことを期待したい。

作品名

BURANO OYAMA ー医療的ケアが必要な子どもたちと家族の欲張り拠点ー

実施事業団体

一般社団法人 Burano

設計事務所

NIDO一級建築士事務所

審査委員による講評

竹宮健司委員
医療的ケアが常時必要な子どもたちと家族は、地域から孤立した生活を余儀なくされている。本計画施設は、こうした子どもたちと家族の「やりたい」気持ちの実現し、地域とのつながりを持つための契機となる場を目指している。施設の外観は、小規模な住宅のような落ち着いた佇まいを見せる一方、内部は将来の使い方の変化に対応できる可変性のある空間構成となっている。療育室の天窓から自然光を穏やかに取り込み、施設の周囲にはウッドデッキ・はらっぱ・あそびの森などが配置され、臥位の姿勢で過ごす子どもたちが、多様な空間を体験できるようにデザインされている。家族が安心して過ごせる場所や、地域との繋がりのきっかけとなる場所が、施設内から外部空間に向けてシームレスに配置されている点も評価に値する。
成瀬友梨委員
外での活動は特に制限されがちな医療的ケアの必要な子供とその家族にとって、安心して過ごせる場に、雑木林と原っぱを併設した施設です。利用者が気軽に外を楽しめるのはもちろん、原っぱでは地域のイベントも計画されており、利用者とその家族が、地域との関わりを持つ拠点としても成長することが期待されます。
前田晃委員
医療的ケアの必要な子どもたちとご家族を、明るい場所で笑顔になれるようにしたい、というコンセプトを図面から感じとることができました。また、「子ども」を中心に家族を支え笑顔にしていきたいという熱い想いがプレゼンテーションから伝わってきました。このようなコンセプトや熱い想いは、これまでの活動実績や、子どもたちを見守る大人の導線・視線の考え方として設計に反映できており、とても期待させる企画になっています。

作品名

集落に繰りだす福祉 溶けこむ施設

実施事業団体

特定非営利活動法人 縁活

設計事務所

b.i.n木村敏建築設計事務所

審査委員による講評

工藤和美委員長
福祉事業所が農村地域に第二の拠点を整備する計画。農業の担い手不足や空き家の問題解決に寄与しながら、農を通して地域社会との共生を図り、収穫は食を通しての結びつきを生み出している。農家の豊かな空間を、所有者の記憶を頼りに復元しながら、より快適な居場所として整備している。縁側や庭での自然な交流が、多世代のコミュニケーションを促し、地域に根差した就労を生み出している点が高く評価された。
塚本由晴委員
農村地域で草刈りにハマった施設利用者がもっと活躍できるように、使われなくなった古民家を改修して活動拠点を作ろうという素朴な企みが、少年漫画のような友情、努力、勝利の物語として紡がれていて、幸せな気持ちになりました。
森下静香委員
農業の担い手が不足する地域で役割を果たしながら、思いきりはたらくことができる取り組みは、農や自然が好きな障害のある人にとって仕事の選択肢を増やし、同時に福祉施設の地域での役割として意味深い。築130年の古民家をあらたなかたちに改修するのではなく、以前の姿に戻しながら地域の人たちにとって寛容な場にする構想や地域の困りごとに対応する柔軟さも評価を集めた。

作品名

地域の一部となれ

実施事業団体

社会福祉法人 丹緑会

設計事務所

合同会社わくわくデザイン

審査委員による講評

北川聡子委員
丹緑会は、高齢者の特別養護老人ホームであり、古い大規模な建物を改修するプロセスでのこの企画への応募でした。年を重ねた高齢者の方々がリスペクトされた支援、地域社会から孤立するのではなく、この施設に地域の子育て世代のお母さんや子ども達が自然に集るなど、高齢者の暮らしから出発して地域に住む人の孤立を防ぎ、地域全体が多様で豊かな暮らしになることを目指している姿が素晴らしいと思いました。
塚本由晴委員
施設から地域へと、ケアの舵が切られたのは良いとして、では既存の大型施設はどうする?という問いに、施設をまちにしていくことで応えようと、地域の人々を巻き込んで、熱心に話し合いが行われている。社会がどこかにあって、そこに参加する のではなく、今いる自分たちが社会という認識を引き寄せる提案に、頼もしさと力強さを感じました。
成瀬友梨委員
施設型の特別養護老人ホームに運営面・設計面両方で丁寧に手を入れていくことで、地域に開かれた施設、というよりも、「まちそのもの」を作ってしまうようなプロジェクトです。すでに行われた第1期計画では、地域の子供たちやその親が自然体で活動できる場を点在させることで、利用者やスタッフが「施設」から解放されているようです。第1期計画で得られた知見を活かし、第2期以降の計画を進めていくとのこと、老朽化しテコ入れの必要な大規模施設の新しい在り方として、大いに参考にしたい場です。

作品名

深川えんみち

実施事業団体

社会福祉法人 聖救主福祉会

設計事務所

JAMZA一級建築士事務所

審査委員による講評

工藤和美委員長
多世代が集い、生活を考えるきっかけの場として、開かれた施設が計画されている。斎場のリノベーションとは思えないほど、開放的で楽しげな居場所が、通りを引き込みながら散りばめられていて、上下階を移動する中で誰もがとっておきの場所を見つけることができ、多世代が混じりながら、自然にまちの拠点となって行く点が高く評価された。
前田晃委員
元斎場がこのようなカタチで再生されるとは、驚きでした。妊娠期や育児中のお母さん達の交流の場であったり、学童の子ども達の遊びと学びの場であったり、中高生も高齢者も集い過ごす場。老若男女、いろんな世代の人々の交わりが生まれる素敵な拠点として活用される日が今から楽しみです。人情豊かな土地柄ならではのユニークな企画であり、失われつつあるコミュニティの先駆けになることを期待します。
森下静香委員
路地や参道、商店街が隣接し、多世代が暮らす下町という土地柄を背景に、まちからの導線により人々が出入りするなかで、子どもや高齢者等の支援が行われている情景が浮かぶような提案だった。生涯学習が見直されている今、専門家サポーターやさまざまな資格をもつ職員とともに、誰もが遊び、楽しみ、学び、交流し、豊かな経験を重ねていくことができる取り組みはこれからの地域福祉のモデルになるだろう。

作品名

体験型福祉施設「ボナプール楽生苑」

実施事業団体

社会福祉法人 新生福祉会

設計事務所

株式会社 伊東豊雄建築設計事務所

審査委員による講評

工藤和美委員長
眺めの良い2階には、サイクリスト用と農業支援の長期滞在者のドミトリーといった2種類の宿泊機能を有し、1階は、柑橘の加工調理室、シェアキッチンや交流スペースなど、就労の場が準備されていて、庭に連続しながら開放的に人々の交流を促す施設となっている。シンプルな中にも力強さと心地よさがある点が高く評価された。
北川聡子委員
生口島の「日本一のレモンの生産量にもかかわらず加工場がない事」「観光につながるサイクリストのための宿泊やショップ」「障害のある人たちが働く場がない」という地域課題を解決するために福祉施設を建築することは、大変意義あることだと思いました。建物もシンプルに地域に開かれ、ガラスで覆われ、美しい海や島がどこにいても見えるという島の自然を感じられる素晴らしい建築デザインだと思いました。
成瀬友梨委員
障害者の就労支援の場と、しまなみ海道を走るサイクリストの宿泊施設を複合した体験型福祉施設です。柑橘類の搾汁所は地域の農家との、食堂のない宿泊施設は地域の商店街や飲食店との連携が想定されています。こうしたソフト面での地域との連携を、洗練された建築計画とデザインがしっかりと支える点が、高く評価されました。

審査委員による総評

工藤和美委員長

応募いただいた472事業の申請団体の方々の思いは、建築プロジェクトの提案を通して活動の志の高さと献身的な姿勢に心打たれる思いがしました。助成の枠組みの中で選別をしなくてはならず、心苦しい思いでいっぱいです。採択に至らなかった方々も、お示し頂いたすばらしい計画が、何かしら実現して行きますことを心より願っております。

北川聡子委員

沢山の皆さんが、大変な努力をしてこのプロジェクトに応募されたことに敬意を表します。この審査を通して、福祉施設がこの地域社会において、何のために存在しうるのかということを改めて考えさせられました。福祉施設がこの地域にあることで、地域に住む方々の生きていくための悩み・不安・孤立などの課題やニーズが、少しずつ解決され、優しくてみんなが住みやすい社会や未来を作る拠点になっていく大きな役割があるのだと思います。そういった意味で、今回、選ばれた事業所はその福祉施設を作ることでその地域社会全体に住む一人一人の幸せにつながるという観点がありました。また、建築的にも人が活かされるような環境であり、優れたデザインの建築だったと思います。

竹宮健司委員

「みらいの福祉施設」への想いが詰まった提案が、さまざまな福祉事業者から寄せられた。採択候補となった事業は、いずれもこれまでの実績に基づいた質の高い福祉事業計画と、その事業への深い理解と洞察によって紡ぎだされた魅力ある施設計画の、両面を合わせ持つ提案となっていた。これらの提案書には、事業実施者と設計者が協働して創り上げた「新しい福祉のかたち」が表現されており、二次審査のプレゼンテーションにおいても、そのことが明確に示された。一方、不採択の申請案には、設計者と事業者の協働の成果が表現されていない、事業実施に相応しくない敷地の選定、地域に開かれていない施設計画等の問題点が指摘された。

塚本由晴委員

最終審査のプレゼンテーションの間、福祉に携わる皆さんの熱意に感動していました。福祉の現場には、さまざまな障壁や困難があると思いますが、そこに挑戦していくことはとても創造的なことであり、だからこそ活力が生まれるのでしょう。建築のデザインで福祉の現場をもっと楽しいもの、心休まるもの、地域に受け入れられやすいものにしようという本プロジェクトですが、産業的な理屈でがんじがらめになっている建築デザインに、挑戦の場と活力を与えてくれるプロジェクトでもあり、続いていくことを切に願います。

成瀬友梨委員

「まちに愛されるデザイン」というテーマが示す通り、これからの福祉施設と周辺との関わり方を問う助成金プロジェクトです。応募案はどれも事業者の熱い思いが詰まっており、社会的にも大切な役割を担うものばかりでした。一方で、建築計画やデザインの部分にもっと力を割いて欲しい応募案が多くあり、非常に悩ましい思いで審査を行いました。選ばれた事業は、社会の中での福祉施設の新しいあり方に真摯に向き合い、運営面・設計面両方で応えようとしているものです。建築設計の面では、派手さはないかもしれませんが、無駄を省き、練られた計画から湧き上がる美しさを纏った提案を選びました。

前田晃委員

本プロジェクトは、福祉施設のイメージを一新するために募集しましたが、500近い設計士と団体から申請いただき、このテーマへの関心の高さに驚いています。今回は、条件が整わず不採択にせざるを得ない企画が多くみられましたが、準備期間が短かったことも影響したかと思います。一方で、募集の趣旨を理解いただき、提案力ある設計士と施設運営者の哲学が一体となった企画は、審査委員会においても高い評価を得られたと感じています。次回は更に一歩進み、施設のあり方に一石を投じる提案を期待しています。

森下静香委員

このプロジェクトは建築デザインを重要な要素として位置付けたことが画期的であり、多くの応募がよせられた。今回の選考で意識していたことの一つに地域をどう読み込んでいるかがある。地域のニーズをみたす事業提案であることはもちろん、自然や文化、社会状況含め、地域のなかでその建築である理由が素直に伝わるものであること。二つ目に利用する人や環境の変化に対し豊かで柔軟な発想で対応できる組織であり、建築であること。三つ目に福祉事業者と設計者が互いの考えを常に熱意をもって交換しあうパートナーシップのもと、福祉の新しい価値をつくろうとしていること。建物は使われてからが本当のはじまりである。地域にひらかれた福祉施設であるためには、今後も魅力ある活動をつくる知恵が必要であり、より多くの人々の関わりを促すための工夫を重ねていかなければならない。選考された建築、そして活動を注目していきたい。

※「日本財団 みらいの福祉施設建築プロジェクト2021」審査に関するご報告について

日本財団公式サイト

お知らせ

2022.04.18

本プロジェクトについて、2022年度も実施することが決定しました。募集期間は6月~9月初旬を予定しています。準備ができしだい本サイトでご案内します。
なお、募集要項については、2021年度の内容から変更する可能性があります。いましばらくお待ちください。

2021.12.09

当財団および審査委員による書類審査の結果、一次審査通過事業(20事業)を決定いたしました。「審査について」で掲載しています。

2021.10.15

今回の募集は締め切りました。多数のご申請をいただき、誠にありがとうございました。

2021.09.26

【申請ご検討中の皆様へ】
お問い合せにつきましては、原則、10月8日(金)をもって受付を締め切らせていただきます。
その後に送信いただきましたご質問に関しましては、申請期日までの返信が確約できかねますので、ご了承ください。
これまでいただいたよくあるお問合せについては、Q&Aに記載しておりますのでご確認ください。

2021.08.06

【申請ご検討中の皆様へ】
現在、日々多数のお問い合わせを頂戴しており、ご返信、ご対応にお時間をいただくことがあります。ご迷惑をおかけしており申し訳ございません。
お問い合わせの内容によっては、「募集要項」や「Q&A」でご確認いただける場合もございますので、あらためてご一読いただければ幸いです。よろしくお願いいたします。

2021.07.30

本プロジェクトに関するQ&Aをアップしました。詳細は募集概要コーナー「Q&A」をご確認ください。

2021.06.14

募集をスタートしました。詳細は募集要項をご確認ください。

2021.06.14

「日本財団 みらいの福祉施設建築プロジェクト 2021」公式サイトをオープンしました。

お問い合わせ

■ 助成金に関するお問い合わせ

日本財団 公益事業部 国内事業審査チーム
「日本財団 みらいの福祉施設建築プロジェクト 2021」担当

fukushi-kenchiku@ps.nippon-foundation.or.jp

※事業内容に関するご相談や、採択可能性に関するご質問は回答いたしかねます。

■ 「日本財団 みらいの福祉施設建築プロジェクト 2021」事務局

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