日本財団 みらいの福祉施設建築プロジェクト

ARTICLE

駒田由香氏(第4回 審査委員)|「新しい福祉と建築のあり方を世の中に見せる」

「第4回 日本財団 みらいの福祉施設建築プロジェクト」において審査委員を務めていただく駒田由香さんから、公募にチャレンジされるみなさまに向けてコメントを寄せていただきました。

駒田由香(Yuka Komada)
建築家/有限会社駒田建築設計事務所

1966年 福岡県生まれ
1989年 九州大学工学部建築学科卒業
1989年〜1993年 東陶機器株式会社システムキッチン開発課
1996年 駒田建築設計事務所 共同設立
現在 有限会社駒田建築設計事務所 取締役
東京藝術大学 非常勤講師
明治大学 兼任講師

▼動画で見る方はこちら

「混じり合う関わりができる建物」こそが良い建築

数年前に大きな骨折をして、8ヶ月ほど入院していました。そのとき経験した車椅生活やリハビリテーション活動を通して、患者として病院にいるよりも「さまざまな人がいる中に、自分もその一員として紛れられている」という感覚の方が心地よいと感じました。そのため、私は年齢や性別、福祉支援の有無に関わらず、その場に滞在する人たちが混じり合う関わり方ができる建物が、良い建築だと考えています。

事業者と設計者がコラボレーションすることが大切

福祉施設をつくるときは、早い段階から福祉の専門家と建築家がコラボレーションすることが大切です。立場の違いから、まったく意見の異なる点もあるかと思いますが、お互いの良いところを引き出し共生していくことが、非常に重要ではないでしょうか。私自身が普段、設計するときに心がけているのは、思い込みや自分のフィルターをかけずにヒアリングをすることです。できる/できないと判断する前に、お話をお聞きしたうえで何が大切なのかを一緒に考えていきます。

地域づくりの視点が不可欠

本プロジェクトの要項には「地域づくりの視点が不可欠」、「福祉そのものが地域の日常的な風景の中に溶け込むような活動」という記載があります。これは非常に大きなテーマで、まさにこれからの福祉施設の理想的な姿です。申請者の方には、この部分を具体的に強く打ち出していただきたいです。この助成プロジェクトをきっかけに、新しい福祉と建築のあり方を世の中に見せてください。楽しみにしています。

 


 

※第4回 審査委員からのメッセージ動画はこちらからもご覧いただけます(YouTube再生リスト)

*

【ニュースレター配信中!】
メールマガジンにて毎月、本プロジェクトの最新情報をお届けしています。ご興味のある方はこちらからご登録ください。

「特集」一覧へ

痛みも、希望も、未来も、共に。