日本財団 みらいの福祉施設建築プロジェクト

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「みらいの福祉とは何か」多角的な視点から議論を深める[第4回 最終審査会レポート]

2024年12月15日(日)、第4回「日本財団 みらいの福祉施設建築プロジェクト」の最終審査会を開催しました。1次審査、2次審査を通過した5事業者に、改めて事業プランと建築計画についてプレゼンテーションをいただきました。本レポートでは、審査会の模様の一部をお届けいたします。

 


 

本プロジェクトでは第3回より、最終審査会のプレゼンテーションに自治体の担当者にも参加いただくことを条件としています。第4回も前回に引き続き、事業者と設計者だけではなく、自治体も含めた三者それぞれの視点から発表いただきました。

会場となった東京・赤坂の日本財団ビルには、今回の審査委員長を務める建築家の篠原聡子氏をはじめ、審査委員全員が集まり、それぞれの専門領域を踏まえたさまざまな視点から議論が行われました。

参加団体一覧

今回、1次審査・2次審査を通過したのは以下の5事業者です。(設計デザイン案登録番号順)

NFP0006
スキップフロアによる障害者グループホームの地域拠点化 たけし文化センター田町
(特)クリエイティブサポートレッツ/株式会社坂茂建築設計

NFP0007
安心と遊び、生きる喜びが発酵するこどもまんなかユートピア
(福)宇治福祉園/株式会社地域計画建築研究所大阪事務所

NFP0008
きどのイドバタ -風景と人の交わる”きどのミチ”-
(福)薫英会/teco株式会社

NFP0040
地域とともに住み続けるための拠りどころ 多世代福祉交流施設「大分わさだ 安心の丘」
(福)大翔会/有限会社ビルディングランドスケープ一級建築士事務所

NFP0045
届ける福祉「みらいの家」
(福)中央福祉会/千葉学建築計画事務所

「みらいの福祉とは何か」一つひとつ深堀りする

審査会では各事業者のプレゼンテーション後、審査委員が実際の模型を確認しながら、それぞれのプランに込められた思いや背景を一つひとつ深掘りしていく質疑応答が行われました。

質疑応答の中で、当日特に審査委員からの質問が多かったポイントは、以下の3点です。

①福祉施設を地域にどう「ひらく」か?
福祉施設が地域に生まれることによって、そこで暮らす人たちがどのように混じり合っていくのか。境界線をどう取り払うのか。地域の人たちとの接点をどう作っていくのか。そうした課題を、建築でどう解消していくのか。具体的なイメージを深堀りしていきました。

②事業に継続性はあるか?
事業を運営する組織の継続性も重要です。事業承継等、先の未来をどう描いているのかを具体的に問われました。

③各地域課題とマッチしているか?
それぞれの地域において、課題は異なります。事業プランと施設建築が、地域で暮らす人たちのニーズと本当にマッチしているか、より具体的な質問が飛び交いました。

プレゼンテーション終了後に行われた最終審査の様子
審査委員長|篠原 聡子氏
審査委員|櫛引 久丸氏(写真左)、秋山 正子氏(写真右)
審査委員|駒田 由香氏(写真左)、仲 俊治氏(写真右)
審査委員|吉倉 和宏氏(写真左)、恒松 大輔氏(写真右)

事業者と設計者、関係者が一体となって議論を

本公募が申請事業に求めていることは、特設サイトにて「“みらいの福祉”の例」として掲載しています。ただこれは審査基準ではなく、あくまでも事業実施団体と建築設計者、その他関係者が一体となって議論を深め、計画をするための足がかりとしてもらうためのものです。支援対象とする人や地域により、必要とされるニーズや目指す姿はそれぞれ異なるためです。

第5回公募への申請をご検討の方は、ぜひ以下の例を参考に、十分な議論を行ったうえで申請ください。

“みらいの福祉”の例
https://fukushi-kenchiku.jp/#future

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