日本財団 みらいの福祉施設建築プロジェクト

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仲俊治氏(第4回 審査委員)|「建築を介して、人と地域が良い相互作用を与え合う関係をつくる」

「第4回 日本財団 みらいの福祉施設建築プロジェクト」において審査委員を務めていただく仲俊治さんから、公募にチャレンジされるみなさまに向けてコメントを寄せていただきました。

仲俊治(Toshiharu Naka)
建築家/仲建築設計スタジオ 共同代表

1976年 京都府生まれ
1999年 東京大学工学部建築学科卒業
2001年 東京大学大学院工学系研究科建築学専攻修了
2001-08年 山本理顕設計工場 勤務
2009~11年 横浜国立大学大学院Y-GSA設計助手
2012年〜 仲建築設計スタジオ設立、共同代表
現在、法政大学、東京電機大学、日本大学、芝浦工業大学非常勤講師。グッドデザイン賞審査委員

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ケアを「提供する側」と「受ける側」の立場を入れ替えられる場に

福祉施設において「ケアをする側」と「ケアを受ける側」という立場は、固定的になりがちです。それらを入れ替えることのできる状態を、建築で目指していただきたいと思います。例えば、ケアを受ける人たちが健やかに暮らす様子を見ることで、周囲の方々が良い影響を受けることがあります。施設で働く人と利用する人が相互に良い影響を与え合う、そんな場を建築で実現できたらいいなと思っています。

距離を近づけるのではなく、選択できる状態をつくる

福祉施設を地域にひらくためには、施設の利用者さんが、地域の方々と関わり交流できることが大切です。双方の距離をやみくもに近づけるのではなく、時と場合によって関わり方を選べる状態にすることが重要です。福祉施設ではともすると、管理者の視点の方が優先されることがあります。仕方がない部分もありますが、一方で福祉施設が地域にひらく可能性を閉ざしているかもしれません。建築家が別の目線から提案を行うことで、新たな考えを提示する機会になり得ると私は考えています。

互いに敬意を持って手を取り合う

高齢化、少子化、経済的な問題の発現などさまざまな社会の変化に伴って、地域や事業者が抱える課題はそれぞれ異なってきています。建築家は今までのやり方に縛られすぎず、柔軟に会話をしていくことが大切です。本プロジェクトは、事業者と建築家の膨大な対話の上に実現できるものだと思います。お互いが敬意を持って手を取り合い、一つのプロジェクトをご提案いただけることを期待しています。

 


 

※第4回 審査委員からのメッセージ動画はこちらからもご覧いただけます(YouTube再生リスト)

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