日本財団 みらいの福祉施設建築プロジェクト

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櫛引久丸氏(第4回 審査委員)|「福祉事業者が、地域の未来を実現するリーダーとなる」

「第4回 日本財団 みらいの福祉施設建築プロジェクト」において審査委員を務めていただく櫛引久丸さんから、公募にチャレンジされるみなさまに向けてコメントを寄せていただきました。

櫛引久丸(Hisamaru Kushibiki)
北海道済生会 常務理事

1987年、社会福祉法人恩賜財団済生会支部北海道済生会小樽病院のリハビリテーション技師として地域医療や福祉に従事。2007年、事務部長となり、病院と重症心身障害児(者)施設の建築及びこれらを核とした周辺地域の開発計画を策定。2012年 院長補佐となり、小樽築港地区に施設整備を実施、福祉型商業施設の誘致や公共バスの路線変更などを行い、2017年に開発計画を完了させた。2018年から現職。2021年には、大型商業施設と連携し民間主導型のソーシャルインクルージョンのまちづくり「小樽ウエルネスタウン構想」を策定。現在、行政や企業等と連携し地域課題解決のための様々な福祉事業や社会的処方事業を展開中。

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住民生活を支える、“ウェルネスタウン”の実現を目指す

北海道済生会では「済生会小樽病院」、重度心身障害児施設「みどりの里」、介護老人保健施設「はまなす」の施設事業と、医療福祉介護の事業に関連した在宅事業を展開しています。地域で暮らす人たちが身体的・精神的に健康でいられるよう、住民生活を支えるサービスが充実している“ウェルネスタウン”の実現を目指しています。私たちは病院と福祉施設、商業施設をフィールドとして、誰もが活躍できるようさまざまな事業を拡充しているところです。現在、年間でのべ3万5千人の住民のみなさんに私たちのサービスを利用いただいています。

福祉事業者が地域の中で担う新たな役割とは

今、日本社会はたくさんの問題を抱えています。社会の中で福祉施設は、社会保障制度上の役割を果たして地域に良質なサービスを展開する義務があります。そしてこれからは、既存の制度に合わせた形で事業を展開するだけではなく、新しい地域における社会資源の開発、地域住民や関係機関を巻き込んだエリアマネジメントの実践なども必要となってくるでしょう。福祉事業者は地域の未来づくりのリーダーとして、そうした役割を担っていかなければならないのではないかと考えています。

福祉と建築の融合により、福祉分野にイノベーションを

近年、医療や福祉におけるケアの視点が十分に考慮された、新しい施設がつくられはじめていると感じます。医療・福祉領域の関係者と建築関係者の融合の仕方次第では、福祉の向上につながる施設づくりが実現するのではないでしょうか。「みらいの福祉施設建築」という言葉には、現在の社会的課題の解決につながるような施設づくりであることはもちろん、将来想定される問題と向き合うこと、さらには未来志向の技術を駆使することも含まれていると思います。本プロジェクトにおける取り組みが、福祉分野にイノベーションを起こすような活動につながることを期待しています。

 


 

※第4回 審査委員からのメッセージ動画はこちらからもご覧いただけます(YouTube再生リスト)

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