― 募集は終了しました。たくさんのご応募をありがとうございました ―
これからのまちの核(コア)を形づくる ケアの拠点。
ぜひ、身の回りのケア拠点を訪れ、自分の暮らしの延長として時間を過ごしてみましょう。そこで感じた共感や違和感を受け止めて思考の活力とすることで、これからの新しいケア拠点のモデルが切り開かれることを期待しています。
テーマは「 まちの核をなすケア拠点 」。建築を専攻している人でも、そうでない人でも、応募できます。図面、絵、文章などのあらゆる方法で、福祉をひらき、時代をひらくアイデアをお待ちしています。
※「日本財団 福祉のデザイン学生コンペ」は 「日本財団 みらいの福祉施設建築プロジェクト」の学生向け特別企画です
主催
公益財団法人 日本財団
名称
第2回 日本財団 福祉のデザイン学生コンペ
テーマ
「まちの核をなすケア拠点」
みなさんの身の回りには、日々の活動が見えるケアの拠点がどれほどあるでしょうか。これまでのケアの拠点は、市街地から距離をもって計画されることが多く、仮にまちなかにあったとしても、敷地境界には高い塀が張り巡らされていたり、窓が閉ざされていたりと、そこでの活動や働く人々の姿など内部の様子を窺い知ることは容易ではありませんでした。
しかしながら、子ども、高齢者、障害を抱える人々の多くは、生活の行動範囲が限定されるがゆえに、逆を返せばまちと結び付いて暮らし、昼間のまちの風景を息づかせる、穏やかで大切なプレーヤーとも捉えられます。こうした視点に立った時、彼らと共に愉しんで暮らすにふさわしい環境が、これからのまちの核(コア)を形づくるのではないかと考えます。あらゆる人を包摂し、ともに光や風といった自然環境を楽しんだり地域の活動を作り上げるような「まちの核をなすケア拠点」を構想してください。
また、この機会にぜひ、身の回りのケア拠点を訪れ、自分の暮らしの延長として時間を過ごしてみましょう。そこで感じた共感や違和感を受け止めて思考の活力とすることで、これからの新しいケア拠点のモデルが切り開かれることを期待しています。
(出題:金野千恵/審査委員)
賞金
賞金総額 90万円
●最優秀賞 1点 50万円
●優秀賞 1点 25万円
●入選 3点 各5万円
スケジュール
●登録期間
2022年7月11日(月)~2022年8月31日(水) ※募集は終了しました
●作品応募締切日
2022年8月31日(水)
応募作品の送付および持参は受け付けません。
●1次審査結果発表
2022年9月下旬(予定)
●2次審査(公開審査会)
2022年10月11日(火)
1次審査通過者にご参加いただきます(オンライン可)
●発表
2次審査(公開審査会)後に本ページで入賞結果を発表します。
●表彰式
「日本財団 みらいの福祉施設建築プロジェクト・福祉のデザイン学生コンペ 表彰式」の日程は下記の通りです。
2023/3/14(火)14:00~@日本財団ビル
※助成決定団体以外の方には御出席いただけません
※日本財団公式YouTubeチャンネルにて後日配信があります
※詳細についてはあらためてお知らせします
審査委員
審査
審査は1次選考(審査委員による書類審査)、2次選考(公開審査)の2段階方式で行います。
●1次選考(審査委員による書類審査)
全応募作品を対象に書類審査し、1次審査通過作品を選出します。1次選考通過者には事務局より直接ご連絡するとともに、本ページで1次選考通過者を発表します。
1次選考通過者(敬称略)
◎登録No. NFCS0012
■代表者
齋藤 惇(さいとう しゅん)北海道大学大学院
■作品名
馬蹄の音が響くまち -馬が運ぶ福祉のかたち-
■共同制作者
小澤大祐(おざわ だいすけ)北海道大学大学院
◎登録No. NFCS0021
■代表者
青木優花(あおき ゆうか)愛知工業大学
■作品名
気づいたら、ここに居た
◎登録No. NFCS0027
■代表者
石 珂鳴(せき かめい)慶應義塾大学大学院
■作品名
アーケードがつなぐ大家族ー分散コアで再生する福祉の街へー
■共同制作者
藤間 藍(とうま あい)慶應義塾大学大学院
◎登録No. NFCS0051
■代表者
竹山周作(たけやま しゅうさく)法政大学大学院
■作品名
ヤングケアラーの住まう学び舎 -幼き介護者に対する建築的支援の可能性-
◎登録No. NFCS0053
■代表者
西 那巳子(にし なみこ)早稲田大学
■作品名
みんなの参道×みまもる福祉
●2次選考(公開審査)
1次審査通過作品による公開審査会を行います。発表者はプレゼンテーション(3分)および審査委員との質疑応答(7分)を行い、全グループの発表・質疑応答が終了した後、入賞作品を決定します。発表者には、公開審査会でのプレゼンテーション用データを準備していただきます。
※詳細については、1次選考通過時に発表者へご連絡します。
※なお、審査会の模様を収録した動画を後日、公開いたします。
公開審査会(動画)
金野千恵こんの ちえ
建築家
teco
1981年 神奈川県生まれ
2005年 東京工業大学工学部建築学科卒業
2005年 スイス連邦工科大学奨学生(~2006年)
2011年 東京工業大学大学院博士課程修了 博士(工学)
2011年 KONNO 主宰
2011年 神戸芸術工科大学大学院 助手(~2013年)
2013年 日本工業大学 生活環境デザイン学科 助教(~2017年)
2015年~ teco 主宰
2021年~ 京都工芸繊維大学 特任准教授
現在
teco 代表取締役
京都工芸繊維大学 特任准教授
東京藝術大学 非常勤講師
中川エリカなかがわ えりか
建築家
中川エリカ建築設計事務所 代表
1983年東京都生まれ。2005年横浜国立大学卒業。2007年東京藝術大学大学院修了。2007年~2014年オンデザイン勤務。2014年中川エリカ建築設計事務所設立。
主な作品:「ヨコハマアパートメント*」(2011年度JIA新人賞、第15回ヴェネチアビエンナーレ国際建築展 国別部門特別表彰)、「桃山ハウス」(住宅建築賞2017金賞、第34回吉岡賞)。主な著書:「中川エリカ 建築スタディ集 2007-2020」(TOTO出版)。
*は、西田司/オンデザインと共同設計。
吉倉和宏よしくら かずひろ
日本財団
常務理事
1991年、日本財団に採用。競艇学校での研修、旧運輸省への出向を経て、阪神淡路大震災復興支援の団体設立、公益事業の成果物を電子化し公開する情報公開サイトの構築、事業及び管理系業務の改革とIT化、財団のブランディング構築などを担当した。事業面では、犯罪被害者支援制度の定着と促進、高齢者の転倒予防に関する事業の開発、船舶の技術開発や造船事業者の安全対策推進、企業との連携プロジェクトなどを担当し、経営支援グループ長、総務部長を経て2017年に常務理事に就任。現職。
応募資格
応募登録期間(2022年7月11日~8月31日)時点で、日本国内の大学院、大学、短期大学、高等専門学校、専修学校(各種学校)、高等学校、等に在籍する学生であること。(グループで応募する場合も全員該当すること)
応募登録方法
1.下記Webサイトより応募登録をしてください。
登録先
https://kenchiku.co.jp/compe/cmp20220623-10.html
登録にはWebサイト「KENCHIKU」のIDとパスワードが必要となります。登録を希望する方は事前に「KENCHIKU」会員登録を行ってください。
2. コンペ応募登録完了後、登録完了のメールが登録者に送られます。
登録完了メールに添付されている登録番号は作品応募に際し必要となりますので、紛失しないよう記録・保存してください。
3. 同一登録番号で3点まで作品応募が可能です。その場合は作品ごとに登録してください。
作品提出
A2サイズ(420㎜×594㎜)片面ヨコ使い1枚をPDFデータに変換して提出してください。提出する資料には、提案したい意図をわかりやすく表現した内容の図や説明文等を入れてください。内容や表現方法は自由とします。但し、平面図・立面図・断面図(各図面の縮尺は自由)を入れてください。
※PDFデータのファイルサイズは5MB以内を厳守してください。PDF変換時の文字化けやデータ破損には気をつけてください。
質疑応答
課題に関する質疑応答は行いません。また規定外の問題についての判断は応募者の自由裁量とします。
注意事項
1. 応募に際しての注意
応募者は、応募作品の一部あるいは全部が第三者の権利(知的財産権や著作権等)を侵害していないことを確認した上で、応募作品を提出するものとします。特に雑誌、書籍、Web等の著作物から無断複写した画像等は使用を禁じます。尚、第三者から応募作品について権利侵害、損害賠償等の苦情・クレームがあった場合は、全て応募者自らの責任と費用負担で問題解決するものとし、主催者は一切の責任と負担を負わないものとします。
また、コンペティションの応募条件・審査方法・日程等は、社会環境・災害・疫病等の影響で変更する場合があります。変更の際は、公式WEBサイトにて更新情報を配信いたします。
2. 応募作品について
応募作品は、国内外を問わず公表または他設計競技へ提出していないオリジナル作品に限ります。また同一の応募作品を他設計競技へ二重応募することも禁じます。他設計競技の範囲(卒業設計等を含めるか否か)については、審査委員の判断によるものとします。
※上記1・2にあるような違反事項(第三者の権利を侵害したことが判明した場合および二重応募等が判明した場合)に抵触した場合は主催者の判断により、受賞発表後であっても入賞を取り消す場合があります。
3. 個人情報について
作品応募にあたりご提供頂きました個人情報は、主催者および運営事務局が適切に管理し、応募者の承諾なしに第三者に開示・提供することはありません。
入選
馬蹄の音が響くまち -馬が運ぶ福祉のかたち-
登録No. NFCS0012
齋藤 惇(北海道大学 大学院)
小澤 大祐(北海道大学 大学院)
気づいたら、ここに居た
登録No. NFCS0021
青木 優花(愛知工業大学)
アーケードがつなぐ大家族 ー分散コアで再生する福祉の街へー
登録No. NFCS0027
石 珂鳴(慶應義塾大学 大学院)
藤間 藍(慶應義塾大学 大学院)
選外佳作(中川賞)
お帳場さんからはじめる社会的包摂の都市空間
登録No. NFCS0039
武部 大夢(横浜国立大学 大学院)
選外佳作(金野賞)
故郷と共にある一生
登録No. NFCS0080
野池 優里花(東京農業大学)
選外佳作(吉倉賞)
-住み慣れた新たな拠点-「ケアパーク」
登録No. NFCS0081
亀谷 理久(武蔵野大学)
選外佳作
福祉と親しむ交番 -交番の再考とこどもの居場所づくり-
登録No. NFCS0008
関川 竜宇司(法政大学)
後天性脳障害者社会復帰センター -健常者に紛れて暮らすあなたへ-
登録No. NFCS0048
小島 健士朗(芝浦工業大学)
SLIDESCAPE -身体障害者の暮らしを開く小さなすべり台-
登録No. NFCS0073
森 奈月(早稲田大学)
平岩 理子(早稲田大学)
こがねちょう福祉創造ワークプレイス -選んで彩る豊かな生活-
登録No. NFCS0077
北林 栞(工学院大学)
複合福祉市場 ふくふくいち
登録No. NFCS0078
高田 圭悟(福岡大学 大学院)
だがしやふぃーか2.0 - 子と親に特化した社会的処方の実践施設 -
登録No. NFCS0086
嶋田 悠大(滋賀県立大学)
森野 純夏(高知大学)
ゆるっと福祉
登録No. NFCS0090
渡邉 純平(日本大学)
審査委員による総評
金野千恵委員
このコンペは、福祉をテーマにしながら、専門を問わずに高校生から応募可能なデザインコンペです。経験の長さや建築の専門性など、一義的な評価に集中しないよう意識し、課題作成と審査を進めました。特に、審査のプロセスにおいて私が重きを置いたのは三つ。一つ目は各々が現場に触れた実感に基づき問いを立てているか。二つ目は、問いに対し豊かなデザインが為されているか。三つ目は、問いとデザインの組合せがこの先の社会やまちのあり方への希望を提示しているか。であり、特に選外佳作までの上位15点は、多くの気づきと希望の兆しを提示していたと云えるでしょう。さらにデザイン提案がうまく融合した5点が最終審査の作品として選ばれました。
「ヤングケアラーの住まう学び舎」は、制度上のサポートが為されていないヤングケアラーの実態を捉えて施設建築のストックを掛け合わせた提案で、家族という単位の再解釈を空間化し、学校というビルディングタイプへの変革、そのまちへの波及効果をも想起させるなど、可能性に富んだ提案として評価されました。「みんなの参道×みまもる福祉」は、地域の福祉施設を調査した末、大規模施設をつくらずにそれらをネットワークで繋ぐための小さな複合機能拠点を参道に点々と提案し、複数拠点を統合する建築のボキャブラリーを創造しようという意欲に富む案でした。最終審査は選外ながらも、金野賞に選んだ作品は、高齢者の暮らしを支えるランドスケープを主眼とした提案であり、建築学生に対象を限定しないこのコンペの間口の広さを示すものでした。ケアの現場が地域との関わりをつくるなかで、他のビルディングタイプの枠組みをも再構築したり、地域や社会時代を変革していくような、可能性に満ちたフィールドであるという議論が共有され、充実した選考会となりました。ここで培った認識の変化を大切にし、この先もこうした環境づくりに携わって頂けることを願っております。
今年、初めて、「日本財団福祉のデザイン学生コンペ」の審査をさせていただいた。コロナ禍にも関わらず、1次審査は審査員が対面で集まって議論を深め、2次審査では応募者とも対面で闊達な議論を交わしながら審査にあたることができた。応募者の皆さん、事務局の皆さん、関係者の方々にこの場を借りてお礼を申し上げます。
審査を通じて感じたことは大きく2点あり、ひとつめは、建築は常に、次の時代を予言するようなものでなければならないということ、もうひとつは、その予言は今を生きる人間の実感を伴わなければならないということです。これは、学生の皆さんであっても社会で建築に携わる人間であっても同じだということを改めて痛感しました。
交わされた議論の中で印象的だったのは、「福祉施設は交流施設とはちがう。けれど、これまでにない福祉施設を改めて再定義しようとするときに、人間が集まるきっかけや、建築を街の中にどう配置するのかということから見直すのはとても有効なのではないか?」という問いです。最優秀賞の作品は、敷地の選定・プログラム・建築の現れ方において秀でた提案で、来年以降の本コンペの応募作品にも刺激を与えるアイデアだったと思います。
発想・企画・オリジナリティまたはイノベーションに多くの人が期待を寄せて、何か生み出せないかと絶えず模索しているのですが、実はなかなか難しいものです。
大人になると、常識にとらわれ、空気を読み、あるいは思い浮かばなくなってしまう状況になってしまいます。
今学生の皆さんが持っている思いを忘れずにいてほしいのですが、とは言え、皆さんも常識人になってしまう場面もあるかも知れません。そんな時には異端な人、あるいはおかしなことを考えている人をぜひフォローして欲しいと考えています。
日本はまわりの人たちの気持ちを考える社会で、それはそれで過ごしやすいのですが、異端な人が出てこないと社会は変わらないし良くなりません。ですから、是非とも尖ったところを応援できる、もしくは、自分を丸めず維持できる状態を絶えず整え、今後に繋いでほしいと思います。
これから社会に出ると様々な場面で勝ち負けや順位争いがあるかもしれませんが、その結果にとらわれず、ぜひとも個性を忘れないでください。 今日は多くの刺激をいただきました。 皆さんの発想力、企画力に敬意を表したいと思います。
お問い合わせ
「日本財団 福祉のデザイン学生コンペ」事務局(株式会社建報社内)
nfcs@kenchiku.co.jp