
審査委員のインタビューや過去の助成決定団体のコメントなどさまざまな内容の動画や記事をアップしていきます。「もっと見る」から過去のプロジェクトについてもご覧いただけます。
第5回 日本財団
みらいの福祉施設建築プロジェクト
現在の日本では、少子高齢化が進み、家族や地域コミュニティのつながりが希薄になるなど、社会構造の変化が加速しています。それに加えて「個」の尊重、多様性の受容が求められるなど、人々の価値観や時代の空気感も変わりつつあり、社会における福祉のあり方が改めて問われています。
日本財団は60年以上にわたり、時代の変化をいち早く捉えて福祉分野におけるさまざまな支援に取り組んできました。だからこそ私たちは今、福祉のあり方を根本から見直し、みらいに向けてアップデートする必要性を感じています。
その実現を目指すためには、地域づくりの視点が不可欠です。これまで利用者と地域の人たちとの間に存在していた境界線を取り払い、福祉そのものが地域の日常的な風景の中に溶け込むような活動が求められています。すでに一部では、地域社会および利用者のニーズを叶える新しい取り組みがはじまっています。
本プロジェクトでは、みなさんと共に福祉と地域のみらいをつくっていくことを目指します。建築デザインを重要な要素として位置づけ、地域で暮らす人たちに愛され、多様な人の日常を支える福祉拠点のプランを募集します。
福祉事業者と建築家・設計者が協働し、あらゆるステークホルダーと丁寧に対話・議論を重ねることによって、「みらいの福祉」について真剣に考える場や機会が増え、その取り組みが全国へと広がっていくことを期待しています。
●上限金額
事業規模に見合う適正な金額を助成
●最大補助率
事業費総額の80%
●対象となる団体
日本国内にて次の法人格を取得している団体:一般財団法人、一般社団法人、公益財団法人、公益社団法人、社会福祉法人、NPO法人(特定非営利活動法人)
※一般財団法人および一般社団法人については非営利性が徹底された法人のみ対象とします。
※医療法人等その他の法人は対象外です。
●対象となる事業
福祉事業(※)を行う施設や事業所の建築関連事業(新築/改修・増築等/外構工事)
※福祉事業とは、社会福祉法に定める第一種社会福祉事業および第二種社会福祉事業を指します。
※以下の事業は対象外となります。
・乳児院を新規に設置するもの。
・地域小規模児童養護施設以外の児童養護施設を新規に設置するもの。
・就労移行支援、就労継続支援A型、就労継続支援B型を実施するもの(一部の実施も含む)。
●申請締切
2025年6月13日(金)17:00
●1次~2次審査
日本財団および審査委員による書類審査(募集締切後~2025年8月頃)
●最終審査
事業実施団体と設計者によるプレゼンテーション(2025年9月21日(日))
●事業実施団体と設計者が協働すること
●本プロジェクトの趣旨に沿ったものであること
●募集要項の記載内容を遵守すること
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建築家
設計組織ADH
工学院大学名誉教授
建築家
設計組織ADH
工学院大学名誉教授
1956年生まれ。1977年スタンフォード大学卒業。1980年ハーバード大学デザイン学部大学院修了。
1981~1984年内井昭三建築設計事務所に勤務。1987年設計組織ADHを共同で設立。2005~2007年UR都市機構 都市デザインチーム チームリーダー。2007年~2023年工学院大学教授。
主な作品に「アパートメンツ東雲キャナルコート」(2005年)、「真壁伝承館」(2011年)など。
著書に「集合住宅をユニットから考える」(新建築社、2006年、共著)、「いえ 団地 まち―公団住宅 設計計画史―」(住まいの図書館出版局、2014年、共著)など。
2012年日本建築学会賞(作品)、2015年日本建築学会著作賞、2019年日本建築学会賞(教育貢献)など。
建築家
有限会社駒田建築設計事務所
建築家
有限会社駒田建築設計事務所
1966年 福岡県生まれ
1989年 九州大学工学部建築学科卒業
1989年〜1993年 東陶機器株式会社システムキッチン開発課
1996年 駒田建築設計事務所 共同設立
現在 有限会社駒田建築設計事務所 取締役
建築家
仲建築設計スタジオ 共同主宰
建築家
仲建築設計スタジオ 共同主宰
1976年 京都府生まれ
1999年 東京大学工学部建築学科卒業
2001年 東京大学大学院工学系研究科建築学専攻修了
2001-08年 山本理顕設計工場 勤務
2009~11年 横浜国立大学大学院Y-GSA設計助手
2012年〜 仲建築設計スタジオ設立 共同主宰
認定NPO法人マギーズ東京 センター長
ケアーズ白十字訪問看護ステーション 統括所長
認定NPO法人マギーズ東京 センター長
ケアーズ白十字訪問看護ステーション 統括所長
1950年 秋田県生まれ
1973年 聖路加看護大学(聖路加国際大学)卒業 看護師・保健師・助産師
1992年 東京都新宿区で訪問看護を開始し、主に在宅ホスピス活動に専念
2001年 母体法人解散に伴い起業し、同一地区で訪問看護を継続
2010年 NHK「プロフェッショナル仕事の流儀」に訪問看護師として取り上げられる
2011年 学校に保健室があるように街の中にも保健室をと「暮らしの保健室」を開設
2015年 看護小規模多機能型居宅介護「坂町ミモザの家」開設
2016年 江東区豊洲に英国発祥のマギーズセンターを日本の最初の施設としてオープン
2019年 第47回フローレンスナイチンゲール記章受章
2022年~2023年 日本医療福祉建築協会(JIHa)建築賞選考委員
北海道済生会 常務理事
建築家
北海道済生会 常務理事
1987年、社会福祉法人恩賜財団済生会支部北海道済生会小樽病院のリハビリテーション技師として地域医療や福祉に従事。
2007年、事務部長となり、病院と重症心身障害児(者)施設の建築及びこれらを核とした周辺地域の開発計画を策定。
2012年 院長補佐となり、小樽築港地区に施設整備を実施、福祉型商業施設の誘致や公共バスの路線変更などを行い、2017年に開発計画を完了させた。
2018年から現職。2021年には、大型商業施設と連携し民間主導型のソーシャルインクルージョンのまちづくり「小樽ウエルネスタウン構想」を策定。
現在、行政や企業等と連携し地域課題解決のための様々な福祉事業や社会的処方事業を展開中。
全国自立援助ホーム協議会 事務局長
自立援助ホームあすなろ荘 ホーム長
全国自立援助ホーム協議会 事務局長
自立援助ホームあすなろ荘 ホーム長
1996年日本社会事業大学卒業後、児童養護施設、知的障害児入所施設、認証保育所等で児童の支援に従事し、2004年より社会福祉法人子供の家自立援助ホームあすなろ荘に入職。2006年よりホーム長に就任し、青年期の自立支援を行っている。あすなろ荘での支援を行いながら、東京都社会福祉協議会児童部会や全国自立援助ホーム協議会で役員として、自立援助ホームの制度などの整備を行っている。
現在児童部会副部会長並びに全国自立援助ホーム協議会事務局長に就任。
日本財団 常務理事
日本財団 常務理事
神奈川県出身。上智大学外国語学部ポルトガル語学科卒業。大学卒業後、建設会社に就職。ブラジル・リオデジャネイロでの駐在などを経て退職。
1992年、当時の日本船舶振興会に入職。国際業務部、公益・福祉部、国際協力グループを経て、2011年に常務理事に就任。
2017年より笹川保健財団の理事長を務め、2024年6月より現職。
組織や活動についての情報公開を適切に行っているか、または外部機関による組織評価を受けているか。
地域の特性やニーズに沿った“みらいの福祉”を目指しているか。
事業の目標が目的に沿って明確に設定されているか。
目標を実現するための事業計画・資金計画が適正かつ合理的であるか。
多様な関係者を巻き込み、事業の社会的意義を高めるとともに効果的に実施する工夫があるか。
助成終了後においても活動を継続、発展させていくための十分な自己財源や資金調達の計画があるか。
施設を利用する人や地域住民が心地よく過ごせ、誇りを持てるような空間であるか。
地域にひらかれた、“みらいの福祉”を実現するための建築であるか。
助成終了後においても活動を継続、発展させていくための建築になっているか。
本コーナーで7月中旬までに発表予定です。なお、第4回プロジェクトの結果については「第4回 日本財団 みらいの福祉施設建築プロジェクト」ページでご覧ください。
本公募が申請事業に求めたい“みらいの福祉”の例を記載します。これらすべて当てはまっている必要があるというものではありません。支援対象とする人や地域により、必要とされるニーズや目指す姿はそれぞれです。どのような姿を目指していくのか、事業実施団体と建築設計者、その他関係者が一体となって議論を深め、計画をするための参考としてください。
●<全体>時代と共に変化するケアのニーズやあり方に応えるため、制度に関わらず、地域や利用者のために大切にしているケアの理念や計画がある。
●<利用者(高齢・障害等)>支援する側・される側ではなく、人と人との関係であるという考えのもと、各スタッフが、利用者のその日の状態を見て個別に必要なケアを判断し行う。
●<利用者(高齢・障害等)>利用者の意思を尊重し、毎日いきがいをもって過ごしてもらうために、本人の身体能力や認知能力にかかわらず利用者の希望を叶えるためケアの方法を工夫する。
●<利用者(障害(就労)等)>利用者の能力を決めつけることなく、施設内で支援される側から、地域社会の一員として活躍できるように、本人のステップアップを可能にする仕組みがある。
●<利用者(児童)>子ども期はその後の人生の土台となる重要な時間であるという認識のもと、本人の成長段階に併せた適切なケアを行いながら自身の成長を促す環境を整える。
●<利用者(児童)>どのような環境にある子どもも将来に多くの選択肢を持てるという考えのもと、子どもと養育者が孤立したり不安を抱えたりすることなく安心できる居場所になる。
●<スタッフ>施設で働くスタッフが誇りやいきがいをもって働くため、時代にあわせた組織運営(研修や情報共有、権限の移譲等)の仕組みを構築する。
●<全体(地域)>施設は地域を構成する一員であるという考えのもと、施設が地域ケアや地域の課題解決の機能を有する。
●<全体(地域)>利用者だけでなく、地域のために施設があるという認識のもと、施設に集う住民と利用者のつながりを生む仕掛けをつくる。
●<全体(地域)>地域住民が自然と施設に集まる仕掛けがあり、地域住民が施設を身近に感じたり、誇りに思うことができる。
本プロジェクトに関する「よくある質問」とその回答をこちらのページでまとめて掲載しています。お早めにご確認ください。